「北海道に夜間中学をつくる会」第2回定期総会まとめ


 「北海道に夜間中学をつくる会」の第2回定期総会が、5月25日(日)午後140分から、札幌市生涯学習センターで開かれました。出席会員は25人、委任状提出は60人で、合わせて85人の参加があり、当日会員数154人の過半数を上回り総会は成立。式次第別紙@に従って議事進行し、2007年度活動報告、会計・監査報告、08年度活動方針とも拍手で承認。役員改選でも、工藤共同代表、清水事務局長ほか事務局員全員の再任を承認し、閉会しました。


 開会は午後1時半の予定でしたが、会員の来場待ちなどで10分ほど遅れましたが、総合司会の井上大樹さんの開会宣言に続き、工藤慶一共同代表があいさつ。総会出席へのお礼を述べるとともに、昨年5月に会が発足してからの1年の経緯を振り返りました。また、総会案内状や議案書の記述ミスなどをお詫びしました。以下、あいさつの主な発言内容です。


 共同代表制は代表が何人かいるということだが、申し訳ないが、まだ他の人は決まっていない。しかし、今もある方にお願いすべく準備を進めている。時間はかかるが、来年の総会には一緒に参加できればと思っている。その前に決まれば、その時点で皆さんにお知らせしたい。


 昨年5月に会を立ち上げてすぐ、札幌市や北海道に5項目の要望書(会報「きぼう」bPの資料@)を出した。できるところから各部局と話しを進めたい、と求めたのに、市はずっとなしのつぶてだった。やむなく市長に再度要請したところ、生涯学習部の担当が総合窓口となった。そこで8月を皮切りにずっと交渉を続けてきた。

 また、道議会には請願、市議会には陳情を上げた。市議会では文教委員会で取り上げられ、要望の趣旨を陳述した。全会派の委員がこちらの立場で行政に対し質問するなど支援してくれた。

 こうした経緯から市教委は、私たちが要望している空き教室の調査をしてくれたが、市中心部の19校では提供できる空き教室はない、との回答だった。遠友塾の現状や趣旨を伝えず、ただ調査したとのことだった。今後は学校と市教委と私たちと3者で話し合うことにした。具体的にどうしていくかは、市教委の北九州市の夜間中学などを視察してきた報告を待ってからだが、何としても皆さんが学校の教室で学べるよう一歩でも進めたい。


 振りがなふりの成果では、市立病院が問診表で、大きな振りがな付きひな形を置くようになったし、市議会では見学の子どもたちに配る市議会を説明した下敷きに振りがなが付けられた。当たり前のことを進めていきたい。北海道には読めない地名も多いが、振ってあってもローマ字だ。そういうところを、少しでも直していきたい。


 報告だが、遠友塾の受講生が増えた。昨年は83名でのスタートだったが、今年は90人になった。教室の増加、授業時間数の増加、科目数の増加など少しでも解決していかなければならない。またこれからの1年間、つくる会は皆さんと頑張っていきたい。


 代表あいさつのあと、北九州市の夜間中学をつくる会からの祝電を森允子さんが披露。この4月8日にNHKで放送された「生活ほっとモーニング〜もう一度学びたい 夜間中学のいま〜」(札幌遠友塾も紹介されました。伊藤フサ子さんの学ぶ姿に焦点が当てられています)のDVDを上映しました。工藤代表は放映後の後日談として、大きな反響がありすぐに電話や問い合わせが殺到したこと、見城慶和先生が開いている「えんぴつの会」の生徒さんや天理市の公立夜間中学の生徒さんから、伊藤フサ子さんに作文(手紙)が届いたことなどが報告されました。


 このあと総会成立の確認(規約第14条)。佐々木一さんを議長に選出し、議案審議に入りました。第1号議案の2007年度活動報告(会報「きぼう」bP、bQの主な歩みと協議・交渉のまとめを代用。bQは別紙A)、第2号議案の08年度活動計画案については清水芳洞事務局長が説明。1号議案の会計と監査報告は工藤朱美さん(会計)と新野早百合さん(会計監査)がそれぞれ行いました(収支決算書は別紙B。収入の部の「その他雑収入」の備考で「07年」は「08年」の誤りです)。


 清水事務局長は07年度活動報告ついて、工藤代表があいさつで要点を明らかにしており、補足的な説明にとどめると前置きした上で、会の趣旨である規約第2条(目的)第3条(目標)の再確認を促しました。 また、会報の「主な協議・交渉のまとめ」に沿って、市長や市議会、市教委、道などの発言や対応、学校空き教室交渉の経緯や、星園高校の利用に焦点を当てた遠友塾事務局と合同会議を開いたいきさつなどを報告。そして「空き教室はない」との回答結果は残念だ、と述べました。


 08年活動計画では、日程や予算を決めての活動は会の性格からできないことから、「今後の活動のあり方」として提案したと述べ、議案書の項目に沿って行政や議会に対する要請・交渉や、情宣活動、道内各地での自主夜間中学開設への支援などの取り組みを説明しました。また、工藤代表は2号議案の予算について、予算書を組まないで活動する理由を説明しました。1号、2号議案は異論なく、拍手で承認されました。

第3号議案の役員選出では、07年度の事務局体制を一括再任する案で清水事務局長から提案され、こちらも拍手で承認されました。


 総会閉会後に新事務局員で打ち合わせを行い、今後の活動方針として以下のことなどを確認しました。

@ 会として要望していた星園高校の利用について、市教委の回答がないので正式回答を要求していく。

A それとは別に、専用(転用)ではなく空き教室を使える学校がないかを3者交渉やあらゆる人脈やツテ(PTAなどへも働きかけ)を通じて調べ、教室で勉強できる可能性を追求する。

B 市教委が提案する夏休みや土日などに限定して学校施設を利用する、いわゆる「体験学習」も試み、教室での勉強への突破口を探る。

C 校長や教職員への協力依頼に絡み、北教組・札教組を通じた支援依頼を行なう。


なお、次回の事務局会議は5月31日(土)の午後1時半から、エルプラザ2階のコーナーで開きます。