北海道に夜間中学をつくる会

札幌遠友塾自主夜間中学    

第2回合同事務局会議まとめ

                      20080705


 「つくる会」と札幌遠友塾は7月5日(土)、エルプラザで第2回合同事務局会議を開き、6月30日(月)に札幌市教委から提案のあった夏休み中の学校教室の試行使用について対応を検討、協議しました。


 市教委の提案は30日に、星園高校などの教室使用へ向け三者協議(つくる会、市教委、学校長)の早期実現や視察報告の提示などを求め、市教委窓口と事務折衝した際に行なわれたものです。折衝には、つくる会の清水事務局長、泉事務局次長、遠友塾の守田副代表が出席。市教委側は伊藤生涯学習推進課社会教育担当係長、同課の中主査が出席しました。


 市教委提案(別添資料@)は

  1.  資生館小(ランチルーム)、白楊小(多目的室)、向陵中(普通教室4室)の3校について、夏休み中の2、3日を教室の試行使用候補としてあげ、検討のうえ7月11日(金)までに回答を求めています。

  2.  市教委は今回提案の3校に限らず、今回の試行結果を踏まえ長期使用へ向け継続的に協議をしていきたい、との意向をよせています。

  3.  こちらが要望した星園高校、大通高校の空き教室の利用に向けた三者協議は、学校がすでに空き教室を専用しており、外部の者が利用出来る状況になく、協議に応じられないとの回答でした。


 合同事務局会議は、この夏休み試行的教室利用の提案を協議しました


 白倉さんから市教委の提案資料に番号も日付もないことに疑問が出ました。−− 工藤代表から、郵送で届いた文書には(7月2日着)「札教生第351号 平成20年(2008年)6月30日」の記載があることが報告されました。また、30日の夕方に報道機関から問い合わせがあり、代表はこの段階で初めてこの提案を知ったことが述べられました。(事務折衝が終わった段階で、報道機関には市教委提案を通知した〔別添資料〕と考えられます)


 星園高校と大通高校については、今提案書に空き教室がないとする説明と、「学校教育上の問題として、申し入れが誰からであっても応じられない」となっていることについて、工藤代表は、星園高校の校長がわれわれと会わないというのはどういうことなの市教委の正式回答(5月15日)の際の岩井課長の発言と矛盾する。今回の市教委が説明したニュアンスが知りたい、と疑問を投げかけました。

−− 守田さんは、直接校長に会い遠友塾の意義や受講生の思い、生徒交流のメリットなどを伝えて理解を得たい旨を申し入れましたが、中主査は「趣旨は伝え校長も理解しているが、学校の目的外使用で市教委権限となる問題もある」として応じてくれなかった大通高校も同じだと述べられました。

−− 泉さんは、会わないというのは個別の対応ではなく、三者協議という形ではその場に出ないというとらえ方でいいのではないか。学校管理規則をみると、実際は校長権限を越えて教育委員会に権限があるだから市教委がやればいいだけの話だ、と述べました。


 飯塚さんは、市教委との解釈の違いがある。きちんと意味を確認しながら進めるべきだと提案。5月15日の回答に「今後については専用以外にも教室使用ができないか検討をしていきたい」とあり、市教委としては、学校長権限となる専用使用については「空き教室はない」と回答したのであろう。今回新たに、学校管理規則による学校施設の目的外使用で、市教委権限での学校施設の使用を提案したものと理解していいのでは。「学校長権限からはみだすものがある」との意味は、この目的外使用のことを指し今回、市教委権限で試行を提案したものと考えられる。「さまざまな要件」による三者協議は、使用部屋、使用時期、使用時の体制などの要件であり、星園高校長が三者会議には応じられないというのは「学校施設の学校教育の目的」という専用についてのことと捉えられる。そして、この提案での「さまざまな要件」(日時、備品、態勢など)に関して、市教委は「三者協議」をするということだろう、と意見を述べました。 一方、マスコミ対応として遠友塾が休み中であることや、期間中の試行が2、3日だけであること(市教委がマスコミに通知した中にはない)などをきちんと伝える必要があった、とメディア対策での問題点を指摘しました。

 小賀さんは向陵中の使用要件について、市教委権限での話であり、責任は市教委が負うため、学校側は遠友塾の授業実態にあわせて要件を上げてくれたのだろう。校長の立場としては、市教委からこうしてくれといわれればやりやすい。−− 札幌市学校施設の開放に関する規則では、施設の開放に伴う管理は教育長が指名する委員会事務局職員となっているので校長は責任を問われないということを飯塚さんが補足しました。遠友塾の授業が行われる時には市教委職員が立ち合います。


 工藤代表は、マスコミに通知した中に「今回の3校に限らず……、引き続き遠友塾と協議を続けていきたいと考えています」とあることに、「今後、学校抜きで教育委員会とやるということだ。空き教室の利用に学校長と直接協議をする、と言った時、市教委最初は委員会に任せてくれといい、次は三者協議を認め、今度はまた権限上、委員会とだという。二転三転している、次は…?」と不信感を述べました。

 飯塚さんは、「市教委はいつもあいまいな表現をしてくる。こちらわかったつもりになっているのが問題だ。その都度、意味を確認しながら行くしかない」と述べました。

 井上大樹さんも、「市教委はその都度、都合のいいことしか言わない。規則などはあいまいな部分が多く、どうにでも解釈できるようになっている。詰めて行くことが必要だ」と述べました。


 工藤代表は、三者協議がなければ学校とつながる回路がなくなることで、今回のような体験試行でお茶を濁されてしまうのではないか、との懸念を表明しました。また、「学校施設の管理については校長裁量でいい」とした道教委との違いにも疑義を表明しました。


 合同会議は以上の解釈論議をしたうえで、早急に回答をしなければならない@市教委提案への対応と、A従来の星園高校など利用の要求運動をどうするかを協議しました。


−− @については提案に乗ることで一致。日程では、メンバーいろいろ思いがあり、一日だけ、二学期の初日授業を当てる、3校全部でやってみる、など多様な意見が出ましたが、受講生もそれぞれ夏休みのスケジュールがあること、水曜日の夜が集まりやすいことなどを考慮して、夜の普通教室が使える向陵中学校で7月30日(水)と8月6日(水)の2回、授業を行なうことにしました。授業内容については、各クラスで責任をもって決めてもらいます。

 2学期初回(8月20)の授業を向陵中に移す案については、「試行授業は規定の授業の他に考えるのが基本」との工藤代表の強い思いと、2学期初日は大切な連絡事項が多いとの判断で見送りになりました。 また、他の2校は昼間の利用だが、事務サイド(清水さん、泉さん、守田さん)が市教委と下検分した際に、何か授業に替わることができないかを検討してもらうことになりました。試行授業の細部については、順次詰めていきます。


−− Aについては、白倉さんから「星園高校を希望したのは市教委からの誘い水があってのこと。反故にすることでの行政責任をはっきりさせるべきだ」との意見がでました。つくる会としては4教室での授業を要望していることであり、今後も星園高校を含めてあらゆる機会をとらえ可能性を探ることで一致しました


−− 森さんが、「せっかく向陵中の普通教室で学べるという夢への足がかりができたのだから、こちらの成功へ全力を注ぎたい」と意見を述べました。


−− 今回の合同事務局会議を通じて当面の目標は「夏休みや冬休みの試行授業で終わらせるのではなく通年通して学ぶことの出来る普通教室を確保すること」である事を再認識しました。