北海道私学教組の長谷川委員長に支援を要請


                           20080707

 「北海道に夜間中学をつくる会」は7月7日(月)、北海道私立学校教職員組合協議会の長谷川喜生委員長とお会いし、「つくる会」の活動や札幌遠友塾への支援をお願いしました。工藤代表、清水事務局長ほか、白倉、森、丸山の5人が出席しました。

 

 まず工藤代表が、札幌遠友塾自主夜間中学を始めたきっかけから19年目の現在に至る経緯を説明しました。それは、失敗を重ねながらも、戦争などで学校へ行けなかった人たちに学びの場を提供し、札幌市民会館が廃止の際は、代わりの場所が決まらず心痛めたこと、現在は札幌市教育文化会館で使用料半額の減免措置を受けているが、教材などの置き場がないこと、受講生も増えており教室を増やしたいことや、時間数や教科をもっと充実させ受講生の要望に応えたいことなどです。これからは、中国残留孤児の人たちもおり、できれば日本語教室もつくりたいこと、そのため、受講生たちの夢でもある学校の教室を借りようと、これまで札幌市や札幌市教委と交渉を続けています。しかし、市教委は「空き教室はない」との回答で、いまだに実現していないことなどを話しました。

 ただ、札幌市教委は今回、夏休み中の試行という形で、学校施設の使用を提案してきており、夢実現への足がかりとして、提案を受けて試行授業をすることにしたことも伝えました。

 また、札幌市や札幌市教委、札幌市議会、道や道教委、道議会へ働きかけしてきた、これまでの資料や報道のコピーなどをお渡しし、「つくる会」の行政に対する5項目要望についても説明しました。特に広い北海道の特殊性から、各地に札幌遠友塾のような自主夜間中学の「学びの場」が必要であり、さらに、札幌市にそれらのセンター校的役割を担う公立夜間中学の設立を求めていることを話しました。白倉さんは、要望の1つである「公的文書などの振りがな付け」について、漢字やアルファベットを学べなかった人たちが、病院などの書面や看板が読めずに困っている切実な問題があることを訴えました。


 長谷川委員長は、札幌遠友塾などの活動は新聞やニュースで聞いてはいたが、具体的に聞くのは初めてといい、受講生の生い立ちやスタッフ構成、教科数、授業のようすや教材作成の苦労話を聞くなど、関心を持ってくれました。その上で「小さな組合だが、できることがあれば」と協力を申し出てくれました。


 工藤代表は、「札教組や北教組にもお願いしているが、公立夜間中学校の設立を組織の運動方針に取り上げられないだろうか」と要請しました。さらに、自主夜間中学が学校の教室を借りるには先生方の協力が欠かせないことから、「まず先生方に夜間中学というものを知ってほしい。紹介した資料やビデオなどもあるので、お話する機会をつくっていただければ」とお願いしました。

 森さん、清水さんは教員だった立場から、生きるための学びが本当の教育であること、支えあえる社会をつくるのが教育であること、そして札幌遠友塾はまさにその学びの場であることを強く訴え、一度授業見学にきてくれるよう要請しました。


 これに対して長谷川委員長は、「ぜひ行かせていただきたい。また、私たちにどんな応援ができるか検討したい。資料を置くのはすぐできることだし、ほとんど高校など学校の世界観しか知らない先生方に、遠友塾のお話しを聞いてもらうのはいいことだと思う」と協力を約束してくれました。

                                以上