次に、公立中学校夜間学級について伺います。

 公立夜間中学につきましては、本年第2回定例市議会の代表質問において、副市長から、これまでさまざまな困難を抱えながら学ぶ意欲を持ち続けてこられた方々の思いを大切に受けとめ、支援のあり方について考えてまいりたいとの認識が示され、また、教育長からは、札幌遠友塾自主夜間中学につきまして、引き続き団体と協議しながら、学校施設の使用も含め、具体的にどのような支援が可能か検討してまいりたいとの札幌市としての姿勢を示されたところであります。

 公立夜間中学につきましては、生活困窮などの理由から、昼間に就労などを余儀なくされた学齢生徒を対象として、夜間に義務教育の機会を提供するため中学校に設けられた特別の学級とされておりますが、戦後の混乱期にあって学齢期に修学することのできなかった多くの人々に対して、国や都道府県を初め、設置者である市町村は、義務的かつ無償とされている教育を受ける権利を保障することは当然のことであると考えます。

 また、昨年8月に日本弁護士会から、国に対して、公立夜間中学の設置について地方公共団体に指導するとともに、必要な財源措置を行うこと、また、自主夜間中学に対しての支援を行うことなどが意見書として出されております。

 北海道においては、本年5月に札幌遠友塾自主夜間中学のメンバーを主体として北海道に夜間中学をつくる会が立ち上げられ、同月に公立夜間中学設置と札幌遠友塾自主夜間中学への支援について要望書が北海道と札幌市、札幌市議会各会派にも提出されております。このように、現在、公立夜間中学設立の運動も全国規模で展開されているところであり、国を含め、行政の課題としても、こうしたことへの対応策として公立夜間中学の設置の検討が必要なものと思うのであります。

 また、自主夜間中学である札幌遠友塾は、平成2年に私塾として開設し、以来17年を経て253名の卒業生を送り出し、現在85名の方が学びの気持ちを持って勉強にいそしんでおられることも聞いております。

 義務教育を受ける機会を得られていない人々については、学齢超過にかかわらず、教育制度と施設整備を通じて適切な教育の場を提供されることが求められております。公立夜間中学の設置を全国的に見ますと、現在、8都府県、35校が設置されている中で、北海道においては未設置となっております。

 そこで、質問でありますが、これまで北海道には公立夜間中学が設置されておらず、設置されるとなれば初のケースとなるわけでありますから、ソフト面・ハード面における解決すべき諸課題が多いことは理解いたします。

 しかしながら、こうした学ぶ権利を有しながら学齢期に修学することができずに、今、教育を受けたいという人々に対しての就学の揚の提供は我が党がかねてから主張してきたところでありますが、札幌市としては、公文夜間中学の設置に向けて今後どのような取り組みを進めようとしているのか、伺います。

以上で、私の質問のすべてを終了いたします。
ご静聴ありがとうございました。(拍手)


○議長(畑瀬幸二)答弁を求めます。

上田市長。


○市長(上田文雄) 

9項目ございますので、私からは、石油製品の高騰の問題、それから行財政改革プラン、第2次新まちづくり計画の問題、子どもの権利条例についてお答え申し上げまして、その余は担当の副市長並びに教育長からお答えをさせていただきます。

−−略−−

 次に、2点目の公立夜間中学の設置に向けての今後の取り組みについてでございます。

 札幌市といたしましては、戦後の混乱期にあって公立夜間中学が果たしてきた役割は極めて重い意味を持っているものと考えておりまして、学ぶ意欲を持ち続けてこられた方々の思いを大切に受けとめ、こうした方々の教育を受ける機会について配慮がなされるべきものと考えております。

 しかしながら、公立夜間中学の設置に当たりましては、議員ご指摘のとおり、ソフト面・ハード面においてさまざまな解決すべき課題を有していることも事実でございます。こうしたことから、教育委員会といたしましても、既に公立夜間中学を設置している他都市における取り組みや運用の状況などについて具体的な調査を進めているところであります。

 今後も、関係団体からの要望などを踏まえつつ、北海道とも連携しながら、学ぶ意欲を強く持ち続けておられる方々に対する就学機会の提供のあり方につきまして、引き続き調査検討をしてまいりたいと考えております。

 以上でございます。