「北海道に夜間中学をつくる会」第31回事務局会議 (2009−3)

「北海道に夜間中学をつくる会」は8月6日(木)、エルプラザで2009年度の第3回事務局会議を開きました。出席は工藤共同代表、泉事務局長ほか井上(嘉)、飯塚、小寺、白倉、森、工藤(朱)、境、谷岡、丸山の11人です。


 会議内容は以下の通りです。

【報告事項】

1、札幌市長、道教委、札幌市議会議員への定期総会終了のあいさつ回りについて

2、全国夜間中学校研修交流会(東日本地区)参加の報告

3、請願署明について

4、その他

 ・事務ブース使用団体活動報告書の提出について


 【議 題】

1、旭川、函館、釧路の各自主夜間中学との交流について

2、全国夜間中学校研究大会への参加について

3、市民へのアピール広報活動について

4、その他


【報告事項】

1.

(1) 上田市長への挨拶についての報告がありました。

 市長としては「公立夜間中学の今後の方向性はだして行きたい」と話されました。その上で、「その方向性からテスト的な実施を検討していきたい」。

また、同席した北原教育長は「公立夜間中学校の開校は難しい」としながらも、「学齢期を過ぎた未修学者の人たちを現在の学校で受入れることができるのでは」、というアイデアを持っており、その検討を担当に指示していると述べました。

  一人で昼間の学校に入学し、生徒たちと一緒に授業を受けることは、高齢の者には相当の困難が伴うことが予想される、と私たちは教育長のアイデアに意見を述べました。

 そのことに市長は、私たちが要望した「センター校的役割をもつ」公立夜間中学ではないが、札幌市の「モデル」として公立夜間中学の授業のあり方を検討できないかという言い方をされていました。

 そういう意味で、その開校にあたっては費用がかかるというより、「お金のかからない部分でやれることがあるなあ」ということも述べていました。

 教育長が「学校で昼間の受け入れ」の言及があったことで、まだ、具体的にはどのように進展していくか分かりませんが、未修学者で昼間の学校で学びたい人には、少し道が開けたのかなという、期待を持つことができる話し合いでした。

 教育長は「まず学校長の了解」を前提としているようですので、私達は具体的に入学を希望するケースを持って話し合いを進めることが肝心ではないでしょうか。遠友塾受講生の中に昼間の学校で勉強したいという希望者がいる場合は具体的に市教委との話し合いを進めて行こうとの提案がなされています。

また、遠友塾が向陵中学校を使って授業を行っていることを、市の広報などで市民に周知してもらうことも必要ではないか、との意見も上がりました。


(2) 市議会へのあいさつ廻りについての報告。

自民党は文教委員が対応してくれて、話しを真剣に聞いてくれた。民主党、公明党は担当がおらず資料だけを置いてきました。共産党は文教委員ではなかったが対応してくれました。維新の会は以前スタッフだった堀川さんが話しを聞いてくれ、激励してくれました。市民ネットでも快く迎えてくれた。何度も訪問し、話し合いを重ねてきたせいもあり、どの会派も丁寧な対応をしてくれました。


(3) 道教委への挨拶では、生涯学習推進局の遠藤憲治局長、同局生涯学習課の阿部豊課長、同課の金野博之主幹、学校教育局義務教育課の梨俊一課長と同課の土井寿彦主幹にお会いしました。

  先に、道議会において道下議員が一般質問をしたことで、すでに旭川、函館、釧路の教育委員会から聞き取りをしておりました。函館遠友塾の学校教室利用を市教委が断った点も承知しており、「学校開放は進めているが、やはり教室を専用的利用することが問題だった」との説明がされました。

札幌市教委が、向陵中学校の教室利用についての情報提供をするとしているので、道教委からも各市教委に働きかけてくれるよう要請しております。自主夜間中学に対する就学援助についてもお願いしたが、「学校教育制度外のことで前例がない」ことから現状では難しい、との回答などがされました。


今回のあいさつ廻りのなかで、札幌市、北海道から話された内容を整理して課題にまとめ、これから話し合い要望する事柄を示していきます。あわせて、8月29日に予定している道内各地の自主夜間中学の交流準備会でも、行政に対する具体的課題が出てくると思われますので、それらともすり合わせて要望事項をつくり上げていきます。


2.全夜中の研修交流会報告は、既に配信の通りです。北海道から釧路を含め8人も参加したことで、主催者側が大変喜んでいたことと札幌遠友塾から参加した3年受講生の伏見さん、酒井さんが自分の言葉でしっかりと体験を語り、会場を感激させたことなどが報告されました。

伏見さんはノー原稿で、酒井さん原稿を読み上げての発表でしたがすばらしい内容で、涙ぐんで聞いていた人もおり、終わってから新聞取材があるほどでした。昭和20年代に夜間中学を卒業したある超優良工場の社長さんが、生まれてからこれまで一番うれしかったことは夜間中学に入れたこと、と涙ぐんでいた。川口の自主夜間中学の人が「北海道の動きをみていると、公立の36番目はもっていかれるかもしれない」と発言したのを機に、松戸や江東区からも「こっちこそ」となって、36番目がキーワードになりました。終わってから懇親会があり、札幌勢はそのあとホテルに帰って3次会をしたこと。翌日は主催者の関本先生にベトナム料理をごちそうになったことなど、経緯と感想を述べました。

江東区に夜間中学校を作ろうと、東京弁護士会も申し立て提出の動きにある中、受講生や卒業生たちが夜間中学で学んだことの意味を、自分たちの言葉で語り、議員さんたちに訴えたことは意義深いものでした。

「すべての人に義務教育を!専門委員会」は公立夜間中学校で構成されます。自主夜間中学については、「すべての人に義務教育を!専門委員会 拡大委員会」の中で、近況報告や今後の活動について話し合われます。


民主教育をつくる道民連合などとタイアップした、道教委・道議会への「義務教育を受ける機会が実質的に得られていない人たちへの就学・修学保障についての請願」署名についての報告。
−−北教組が住友委員長の急死などで、署名集計がまだできていないので9月道議会までには、集計し署名請願に間に合わせるようにしたい。


4.その他の事柄
−−エルプラザ事務ブースの借用に伴い、3カ月ごと活動報告をしなければなりませんが、7月提出が遅れており、8月にずれ込んでいます。



【議  題】

1、旭川、函館、釧路の各自主夜間中学との交流について:

−− 泉さんの報告では、交流に向けての準備会案内を札幌、旭川、函館、釧路の4自主夜間中学に出したところ、函館と釧路からは「ぜひ参加したい」との連絡があったとのことです。日程については、それぞれが都合のよい8月29日(土)に決めました。旭川については、代表の都合で事務局において検討するに至ってなく、返事が届いていませんが、個人的に参加の要望がありますので日程案内を出して来てもらうことになります。
−− 今のところ北海道教育会館で午後1時半から開催予定。各地から授業運営を行っての課題を出してもらい、その中から今後の方向付けをすること。別立てで、既に懸案となっている函館や釧路の教室確保について話し合うことにしました。


2、全国夜間中学校研究大会への参加について:
−− 09
年度の全国夜間中学校研究大会は12月4日(金)、5日(土)に神戸市総合福祉センターを主会場に開かれます(要綱は別紙)。工藤代表によると、「つくる会」に案内文書が来た段階で、まず活動報告を送り、9月になったら参加人数や分科会参加名簿の提出が必要とのことです。
−−「すべての人に義務教育を!専門委員会 拡大委員会」の参加については、先に主催者から工藤共同代表指名で出席依頼があり、承諾したとのことです。
−−「つくる会」としての参加は初めてで、今回から、札幌ほか旭川、函館の遠友塾と釧路の「くるかい」にも同様の案内が行きます。−−「つくる会」としては、工藤代表1人の参加を決めました。


3、札幌市民へのアピール広報活動について:
−−市民へのアピール広報活動では、街頭で配る「リーフレット」の原案を示すことになっていましたが、担当が忙しさで、まだ未着手になっており、早急に原案を作成します。
−−拡声器については、別団体から借りる手はずが整っております。

−−街頭行動日については、請願が道教委・道議会に提出され、「札幌遠友塾20周年の集い(9月20日予定)」のあとの9月の末くらいを一応の目安としました。リーフレット原案は9月3日の事務局会議までに作成します。