「北海道に夜間中学をつくる会」第32回事務局会議(2009−4)

「北海道に夜間中学をつくる会」は9月3日(木)、エルプラザで2009年度の第4回事務局会議を開きました。出席は工藤共同代表、泉事務局長ほか井上(嘉)、飯塚、小寺、白倉、森、工藤(朱)、谷岡、丸山の10人です。


議題は以下の通りです。

1、「道内の自主夜間中学の交流に向けての準備会」の反省

2、今後に向けての取り組み

3、リーフレットと市民へのアピール活動について

4、その他



1、「道内の自主夜間中学の交流に向けての準備会」の反省

8月29日の「交流に向けての準備会」に、本事務局会議の出席者は全員出席しており、各人から感想を含め、反省点など話し合っております。

◇始めに工藤代表から感想と報告がありました。

@準備会は初めてのことだったがスムーズにやれたと思うA釧路から、不登校の受け入れを巡って、支援者(札幌ではスタッフ)の間で是非があるとの報告があった。受け入れることを見合わせるとの立場の人といくつか話してみたいことがある。B小樽でも開校を、との思いで出席した人がいた。話しを聞いたところでは、まだまだ慎重に進めたいとの段階。やれることから始めるよう話したが、まだ時間がかかりそうだC旭川遠友塾からの出席が無かったのは残念だが、札幌遠友塾「20年記念の集い」には受講生の方も出席してくれるとのことなのでうれしい。釧路、函館からもこの集いへの出席の連絡があった。

◇その他の主な感想・反省は以下の通りです。

・ 函館から英語の先生が難しい授業をやっているとの報告があった。自分の経験からいうと、意外に得意分野の授業ほど受講生には分かりづらい授業になる、との思いがある。

・ 各地の報告を聞いて、それぞれの授業運営など身近に感じられるようになった。スタッフの運営がなかなかうまくいかないとの話があった。スタッフのミーティングはとても大事なのだが、抱える悩みはどこでも共通しているのかなあと思う。次回にもいろんな話を聞きたい。

・ 「つくる会」などを通して各地の動きを知ってはいたが、じかに話をきいてみて実感がわいた。函館の理科や給食はいいなと思った。給食などは特に学年を超えたつながりができる。札幌でも遠足やクリスマス・忘年会があるが、他にもあってもいい。今回の交流は、お互いにとてもよかったのではないかと思う。今後も続けてほしい。

・ 釧路の1対1の授業は驚きだった。大変だなと思う。開校したばかりで不安がいっぱいのようだったが、今回の話し合いで少しは不安がとれたのではないか。函館は理科や給食があり、授業時間も短くして帰りが遅くならないようにするなど、とても個性的な運営をしているなあと思った。

・ 釧路の話を聞くと、札幌遠友塾のスタッフの一人として、札幌の20年の重みを感じる。内容もスタッフのまとまりにしても、同じ問題を抱えながら20年かけてここまで来たんだなあ、との実感がある。その時代時代のスタッフが難題を乗り越えてきたことが今を支えている。20年の節目に、新たな一歩をいかに踏み出すかが札幌遠友塾の課題だろうし、困難に直面した時に「つくる会」として各地の活動を支えていける存在でありたい。

・ 未修学者に対する日弁連の申立書にあるように、それらの人たちに人権保障として行政が対策を講じるべきだ。その延長に公立夜間中学の開校や自主夜間中学への支援があるのだろう。行政は学校教室の開放もしくは義務教育をもう一度保障していくべきだ。受講生のいるところ、どこもが「学びの場」という考えもあるが、われわれとしては学校教室を使いながら義務教育を保障していくという視点をきちんと持っていたい。

・ また、行政に全てを頼るばかりではなく、われわれ自身が学校の施設を使いながら地域で1つのコミュニティを作り上げていくべきだろう。その1つとして自主夜間中学の活動があったらいいなあと、今回の交流の中で強く感じた。

・ 各地の報告を聞いていて、札幌遠友塾が発足した20年前から、授業のあり方などの問題が一向に解消されていないことを感じた。各地の活動は今後も厳しい状態が続くと思うので、先行した札幌の経験を少しでも生かしていければと思う。

・ 各地の状況を聞いたが、実際に現地に行って学ぶ姿を見るとはまた違った側面が見えるものだ。その意味で今後は各地を見学して交流することが大事だ。札幌遠友塾にとっても、意義のあることと思う。

・ 会場確保については、函館も釧路もそうだが、場所をどうするかは集まってきた受講生とスタッフが自ら考えてやっていくことが最大の基本だ。そこで何かしたいというときに、私たちの経験を生かしていけばいい。

このあと議論は「つくる会」の活動の検討というよりは、遠友塾の授業のあり方、受講生とスタッフとの関係などでの議論が続きました。「つくる会」ではこの種の論議がよく行われるが、遠友塾の運営に生かされていない、との意見もありました。


2、今後に向けての取り組み

・ 今回の交流会では遠方からの出席者に当会から交通費補助をしましたが、次回からは受講生(塾生、学習者)に限っての補助することにしました。

・ 名称についても論議しましたが、実態はすでに交流していることから、今後の集まりは「北海道自主夜間中学交流会」とすることにしました。

・ 次回からの交流会については準備会での提案通り、各地を訪れて授業見学と交流を行うことを確認ました。その1回目として会場問題が切迫している釧路で開くべきだという案と、開校したばかりで負担が大きすぎるのでまず札幌で、という案が出ましたが、各地で事情を聞いたうえで判断することにしました。初回を10月か11月に考えています。


3、リーフレットと市民へのアピール活動について

担当から次の説明がありました。

 「つくる会」だけの内容では、リーフレットのイメージがなかなか浮かばず、各自主夜間中学も紹介もする内容とすることで、やっとイメージが固まった。今回の交流の席で協力をお願いしたところ、活動報告や受講生の作文、写真などを寄せてもらえることになった。9月末までには作りあげたい。準備会では各自主夜間中学の近況を知らせ合う「たより」を学期ごと発行しよう、という話になったが、リーフレットも内容が固定したものよりも、「たより」を生かし毎回違う内容にしたい。そうすることが変化もあり、市民へのアピールも強まると思う。


4、その他

道議会は9月議会が中旬から開かれそうとのことです。これに合わせ先に集めた道教委・道議会への「義務教育を受ける機会が実質的に得られていない人たちへの就学・修学保障についての請願」の署名の集約が始まった、との報告がありました。



※次回の事務局会議は10月1日(木)午後6時半から、エルプラザ2階の会議室で開きます。