七飯養護学校の今西教諭 函館に自主夜間中学を 来年4月開校目指し奔走09/02 14:24


 戦争や家庭の事情などで満足に教育を受けることができなかった高齢者を対象とする「自主夜間中学」を函館に開設しようと、七飯養護学校の今西隆人教諭(52)が奔走している。開校は来年四月の予定。今西さんは「たとえ少数でも、学びたくても学べなかった人の力になりたい」と話している。

 自主夜間中学は全国に約二十校あり、道内では「札幌遠友塾」が一九九〇年に開校。今まで三百五十人を超える人たちが卒業し、現在も八十人以上が勉強している。さらに旭川でも今年四月、「旭川遠友塾」が開校した。

 今西さんは札幌・青葉中に勤務中の二〇〇〇年以降、札幌遠友塾でボランティアとして英語と数学を教えた。高齢者が目を輝かせ机に向かう姿に、「学ぶ喜びをあらためて教えてもらった」という。中には函館から札幌まで週一回、三年間休まず通学して卒業した生徒もいた。

 今西教諭は今年四月に七飯に転任。札幌時代の経験から「函館遠友塾」設立を思い立った。

 授業は三年間、週一回、午後五時半から二教科行い、「ひらがな」「たしざん・ひきざん」「ABC」などから国語、数学、社会、英語を各自のペースで学ぶ。入学試験は行わず、費用はプリント代月額数百円を予定している。

 札幌では不登校など十代の生徒にも門戸を開いているが、函館市総合福祉センターを無料で利用申請するため、当面は道南の六十代以上に限る方針。 ※年齢制限は必要がなくなりました。(9月22日当HP管理人)

 また、習熟度に応じた授業のため、学習の補助者や事務方のボランティアスタッフも募っている。教員免許などは必要ない。


 今西さんは、「学友と机を並べる喜びを知ってほしい」と語る。また、札幌遠友塾の工藤慶一代表(59)も「道内各地に学ぶ場所ができることは喜ばしい」と応援する。


 入学者やボランティアの希望者は平日の午後四時以降に今西さん(電)080・5598・5608へ。(大原智也)

北海道新聞 道南版

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki/115261.html