自主夜間中学を釧路に5月開校*準備会*生徒とボランティアを募集

2009.01.31 北海道新聞朝刊地方 


 さまざまな事情で十分な学習機会に恵まれなかった人たちの「学びの場」を釧路市内に作ろうと、市民有志による準備会が五月、「自主夜間中学」を開校する。準備会は「学ぶ側も教える側も、一緒に学ぶことの楽しさを共有できる場にしたい」と考えており、学びたいという生徒や、運営を支えるボランティアを募集している。


 開校準備を進めるのは、「自主夜間中学」設立釧路準備会(世話役代表=添田祥史・道教育大釧路校講師)。


 自主夜間中学は、戦争や不登校、家庭の事情などで学校に十分通えず、日常生活に苦労している人が読み書きなどを学ぶ場。道内では一九九〇年に札幌市、二〇〇八年に旭川市で開校。函館市でも今春の開校に向けて準備が進んでいる。


 添田講師によると、自治体などが設置する公立夜間中学は、全国八都府県に三十五校あり、約二千五百人が学ぶが、関東や関西の都市部が中心。これを補うように、全国で約二十団体が自主夜間中学を運営している。


 釧路では、昨秋以降、不登校や引きこもりに悩む親子を支援している賀根村(かねむら)伸子さんや、九州で識字教室に携わっていた添田講師を中心に、大学生や公務員など市民約二十人が勉強会を重ねてきた。


 二十九日夜の準備会の会合では、記念講演会を兼ねた開校式を五月九日に行い、五月十二日から毎週火曜日午後六−八時、釧路市総合福祉センターで活動することが決まった。


 教える側のボランティアは教育経験などは問わず、開校に向けてワークショップや、四月に実習を兼ねた体験入学会を開く計画。生徒は、年齢、性別、国籍を問わず受け入れ、授業形式などは生徒の希望に沿って今後検討する。“授業料”も資料代程度の軽い負担にする方向で検討中だ。


 添田講師は「学びを通じたコミュニケーションの場にしていきたい。学んでみたい、教えることで役に立ちたい−という方なら、どなたでも気軽に」と参加を呼びかける。


 詳しくは、準備会事務局の賀根村さん(電)080・5595・7015。(島田季一)