道南初の自主夜間中学*函館遠友塾が開校*20−88歳の47人が入学
2009.04.16 北海道新聞朝刊地方


 戦争や病気で十分な教育が受けられなかった人を対象にした道南初の自主夜間中学「函館遠友塾」(今西隆人代表)の入学式が十五日、函館市総合福祉センター(若松町)で行われ、開校を待ちわびていた入学生たちが万感の思いで学校生活をスタートさせた。

(上野香織)

 夜間中学の開校は道内では札幌、旭川に次ぎ三校目。五月に釧路でも開校する。

 入学生は函館、北斗、七飯の二十歳から八十八歳の四十七人。式には三十九人が出席した。今西代表は「勉強は人との競争ではありません。ゆっくり焦らず学びましょう」とあいさつ。函館大火や転校続きで一貫した教育が受けられなかったという函館市上野町の元団体職員、黒田正二さん(88)が「勇気を出して申し込んだ。楽しく勉強に挑戦したい」と入学生を代表して抱負を語った。

 中学時代に病気で入院していたという北斗市中野通の無職、佐藤麻衣子さん(22)は「修学旅行に行けなかったので遠足やクリスマス会が楽しみ」と、式後に満面の笑みで語った。

 授業は二十二日から。原則毎週水曜日夜、同センターで行う。受講料は年間二千円。定員約五十人。科目は国語、数学、理科、社会、英語の五教科。七月下旬まで入学可能。問い合わせは今西さん(電)080・5598・5608へ(平日午後四時以降)。


北海道新聞社