感慨「本物の学校」で入学式

「遠友塾」1080

札幌・向陵中で授業


 様々な事情で学校に通えなかった人たちが学ぶ「札幌遠友塾自主夜間中学」(工藤慶一代表)の入学式が22日夜、札幌市中央区の市立向陵中で行われた。遠友塾は創設20年目だが、「本物の学校」での入学式は初めて。


 27人の新入生を前に工藤代表があいさつし、「学校で学ぶことは農作業に似ています。皆さんは種であり、耕す人です。実りを迎えます。途中で分からないと言って、せっかく出たつぼみを自分で折らないで下さい」と励ました。


 向陵中の植村敏視校長は「新たな遠友塾のスタート、おめでとうございます」と祝辞を述べた。また、市教委の北原敬文教育長からの「受講生の皆さまの意気込みには心から声援をお送りしたい」とのメツセージが代読された。


 新入生は10代後半〜80歳代。西区の山岡みゆきさん(42)は入学式の後、「中学2年の時に不登校になってから学校に行きませんでした。独学したが、限界がありました。いまの年になって学ぶことの楽しさを味わいたくなりました。不安もあるけれど、頑張りたい」と話していた。


 これまで遠友塾は市教育文化会館などを使って入学式や授業を行ってきた。市や同中の協力で、今年度から同中を通年使用できることになった。

(植村隆)


2009423日 朝日新聞