札幌の自主夜間中学「遠友塾」が開設20年目

「札幌遠友塾」の入学式であいさつする工藤代表(右)(札幌市立向陵中学校で)=土田浩平撮影

 戦争の混乱や経済的な理由などで十分な教育を受けられなかった人たちが学ぶ札幌市の自主夜間中学「札幌遠友塾」(工藤慶一代表)が、開設20年目を迎えた。今年度からは同市立向陵中学校(同市中央区、植村敏視校長)で授業できるようになり、22日夜の入学式では皆で開校を祝った。

 札幌遠友塾は1990年に開設された。発足から17年間は市民会館で授業を行い、閉館後は市教育文化会館を使ってきた。会議室などを利用してきたが、同塾は学校校舎を使わせてほしいと2年前から市に要請し、同中の使用が認められた。会場使用料が年額約60万円から約20万円に減ったため、毎月の受講料も1500円から1000円に値下げした。

 今年度は新入学生29人を迎え、生徒数は計約90人になった。60歳代後半の生徒が大半だが、不登校経験者の10代もいる。授業は毎週水曜日夜、4クラスで実施。国語、数学、英語、社会の基本4科目を約70人のボランティア講師らが指導する。

 関係者約100人が出席した入学式では、工藤代表が「学びは農業に似ている。春に種をまき、秋に収穫する。皆さんは種であり、耕す人です」と新入生を励ました。今年度の募集は終了しているが、若干名なら相談に応じるという。
問い合わせは事務局の泉さん((電)011・897・1426)へ。
(2009年4月23日 読売新聞)