自主夜間中学「函館遠友塾」開校から半年 

受講生の熱意に手応え 

出席率は9割 

来年度も募集 給食や遠足も


 戦争や病気などで十分な教育を受けられなかった人を対象にした道南初の自主夜間中学「函館遠友塾」(今西隆人代表)が、開校から半年たった。出席率は毎回9割以上。今西さんは「受講生から勉強したいという強い意志を感じます」と手応えを感じている。 遠友塾は、毎週水曜の午後5時20分から午後7時10分まで2科目を教えている。国語は「ひらがな」、数学は「たしざん・ひきざん」から始まり、3年間かけて中学1年生レベルまで勉強する。 現在52人が在籍し、70代が約8割を占める。授業以外にも月に1回、おにぎりやみそ汁などの給食や、大沼公園への遠足なども楽しんできた。 父親の死や戦争で学ぶ機会がなかった函館市桔梗町の福島悦子さん(77)は「毎週通うのが楽しみ。来年は英語で自分の思いを書けるようになりたい」と意欲をみせる。運営を支えるボランティアの道教大函館高3年、阿部知美さん(21)は「年を重ねてもなお学ぼうとする姿勢から刺激を受けます」と語る。 遠友塾は、来年4月からの入学者と、授業の補助などをするボランティアスタッフを募集している。入学者向けは11月18日午後5時、スタッフ向けは12月2日午後5時から同センターで説明会と公開授業を行う。 費用は年間5千円を予定。希望者は当日会場へ。


問い合わせは、今西さん(電)080・5598・5608へ。(平日午後4時〜午後8時)

(伊藤美穂)北海道新聞 2009/10/31