道下道議:

次に夜間中学について教育長に再質問いたします。

 今日この道議会にも「北海道に夜間中学をつくる会」の方々が傍聴にいらしております。夜間中学に対するニーズは2年前から確実に高まっているにも拘わらず、今回の教育長の答弁は2年前と全く変わっていません。非常に残念です。道教委は道内の自主夜間中学の抱える問題や行政に対するニーズを把握しておられるのでしょうか。又、各市町村教委などと夜間中学について連絡や情報の共有を図っておられるのでしょうか。自主夜間中学について道教委は市町村に対して学校施設等の有効活用などについて働きかけをしてきたところと今回答弁されましたが、函館遠友塾が函館市教委に対して小中学校の教室を一般団体に開放している社会学級という制度を「遠友塾も利用可能か?」と問い合わせたところ函館市教委からは不可能との返答を受けたそうです。道教委の取り組みが不十分であることを現している事例の一つだと思います。

 教育長は自主夜間中学を見学されたことがありますか?職場では中学を卒業していないことを隠しながら働き、遠友塾に通って一生懸命勉強している方、戦後の混乱期で学校に通えず文字を書くことが出来なかったけれども、今お孫さんにお手紙を書きたいという一心で長い時間を掛けて国語を勉強されている方、理由は様々ですが皆さん本当に学ぶ意欲は強く、そして一生懸命勉強されています。これまでは中高年齢者の方々が多かったのですが最近では不登校、引きこもりで中学校に通わないまま卒業してしまった方々も増えてきている、そして遠友塾に通っている方々も多いと聞いています。そして生徒さん達のために無償で勉強を教えるスタッフ、会の運営に携わるスタッフも一生懸命頑張っています。そう言った方々の姿を見ると教育長も道教委のトップとしてそして一人の人間として何かやらなければならないという思いがきっと沸き立つと思います。

 現在「北海道に夜間中学をつくる会」などが、一つには北海道におけるセンター校の役割を担う公立夜間中学を札幌市に設置すること、二つ目には道内の自主夜間中学を運営する民間団体に対して学校の教室使用を主とした施設の提供と財政的支援を行うことを道教委や道議会に対して請願する予定でそのための署名活動を実施されています。道教委としてその請願を受けた場合は速やかな対応と要請事項の実現に向けた取り組みを是非行うよう指摘いたします。

 道教委は道内における義務教育未修了者の数や夜間中学で勉強したいという意欲のある方々がどれくらいいるのか、又自主夜間中学はどのような課題を抱え行政に対してどんなニーズがあるかなどアンケート調査などを行って現状を把握すべきと考えますが教育長の見解を伺います。