千葉市議会に於ける「夜間中学」に関する質疑


2005.09.26 : 平成17年決算審査特別委員会第2分科会


346 : ◯学校教育部長

 それぞれの機関で、それぞれたくさんの相談、苦 情が、匿名、それから名前も言って毎日毎日あります。今、集計をということで、もし必要ならば、それぞれの課から出しますけれども、これについて、本当は 一元で答えられれば一番いいわけですけれども、なかなかそれができない難しい状況もありますけれども、とにかく市民の立場に立って悩みに真摯にこたえられ るような、そういう体制づくりを今後とも考えていきたいと思いますし、先ほどのことをですね、夜間中学のことも含めてたくさんの問題を抱えていると思いますので、オール教育委員会、オール学校教育部でそういった対応を進めてまいりたいと思いますので、どうか御理解いただければと思います。


2006.09.20 : 平成18年決算審査特別委員会第2分科会


263 : ◯委員(谷戸俊雄君)

 それからもう一つ、私ボランティアをやっていまして、外国人の子供たちをよく、義務教育がまだ終わっていないんで 学校へ入れたいとか何とかのとき、いつもそこで教育委員会とトラブるんですよね。もう少し年齢制限やなんかを緩和して、外国から来ている師弟の方たちにも 義務教育ぐらいは終えさせてあげられたらなと思うんですね。例えば、この辺では市川や何かはとてもそういう教育環境がよくて、夜間の中学か何かもあそこに あるんですか、それで教育委員会に言うと、あ、それじゃ市川の方へ行ってくださいとすぐ言われるんですけれども。千葉市はやっぱりキャピタルタウンですか ら、ですから市川でできることだったら、やっぱりこれ予算化して、そういうような落ちこぼれがないようにやってさしあげられたらなと思います。
 以上です。


267 : ◯学事課長

 学事課です。
 市川の大洲中学校のお話がございましたが、年齢については法的にも定められたというところもございますが、市川で行っている大洲中学校のような夜間中学の設置については、本市としてもやはり研究してまいりたいということで、5か年計画の中で研究を盛り込んでおります。
 以上です。


2006.12.13 : 平成18年第4回定例会(第8日目)


4 : ◯4番(長谷川弘美君)

 次は、夜間中学の必要性についてです。
 夜間中学校 とは、中学校二部、中学校夜間学級と呼ばれ、国籍や年齢にかかわりなく、だれでも学ぶことができる学校で、現在、全国に35校(327ページにて36校と 訂正)あり、約3,500人の方が学んでいます。関東では東京都内に8校、神奈川県内に6校、千葉県内に1校あります。また、このほかに、各地に夜間中学校の必要性から自主夜間中学も 存在します。ここでは、生活困窮などの理由で義務教育を終了することができなかった人、障害によって就学免除を受けた人、海外からの帰国者やその家族、在 日外国人、かつて不登校できちんとした学習ができなかった人たちが学んでいます。また、ここでの学習の後、高校へ進学することができた人たちも多くいま す。
 以前に、夜間中学の体験者から、何より文字を獲得し、そして夜間中学でさまざまな人と一緒に学んだことが人生を大きく変えたと伺いました。義務教育未修了者の数については、学校基本調査等をもとに推計すると約70万人とのことですが、全国夜間中学校研究会など支援団体によると約160万人に上るのではと言われています。

  法令上、市町村教育委員会の裁量により、二部授業を実施するかどうかについて決定できる仕組みとなっております。また、内閣総理大臣答弁書によれば、夜間 学級は市町村教育委員会が地域や学校の実態など諸般の実情を勘案の上、その必要があると判断した場合に設置するものとされています。多様な義務教育未修了 者にとって、教育を受ける権利を保障する場である夜間中学校の意義は極めて大きなものがあり、また、自治体としてその責務を果たしていく必要があります。

 さて、千葉市第2次5か年計画には、千葉市立の中学校夜間学級設置の検討とあります。
 そこで伺います。
 新5か年計画にはなかった事業ですが、第2次5か年計画に入れられた経緯、そして計画実施に向けての進捗状況について伺います。
  2点目に、千葉県内唯一の夜間学級が市川市立大洲中学校にあります。昭和57年に設置され、開設以来20年以上たちます。学びたいという意思を持った多く の方が通学し、既に174人の方が卒業証書を手にしたと聞いております。大洲中学校に夜間学級が開設された経緯と現状について伺います。
 また、夜間中学校のない千葉市内から大洲中学校に通学している方も多いと聞いていますが、どの程度おられるでしょうか。他政令市の状況はどのようになっているのでしょうか。千葉市の今後の設置に向けた検討のスケジュールをお聞かせください。


8 : ◯教育次長(田辺宗一郎君)

 まず、夜間学級が第2次5か年計画に入れられた経緯についてですが、事情により中学校を卒業しなかった方や帰国子女、外国籍で学齢を超えているが日本の中学校を卒業したい方などがふえる傾向にあることから、調査研究を第2次5か年計画に位置づけました。
 また、進捗状況についてですが、今年度より調査を始めているところであります。

 次に、大洲中学校に夜間学級が開設された経緯と現状についてですが、市川市民からの要望により昭和57年に開設されたと聞いております。また、現状ですが、平成18年5月1日現在で33人の生徒が通学しています。

  次に、千葉市から大洲中学校には何人の生徒が通学しているのかとのことですが、平成14年度4人、15年度5人、16年度6人、17年度7人、18年度は 11月末現在で11人の方が千葉市から通学しています。なお、11人の在校生の内訳は、日本国籍3人、中国籍6人、フィリピン国籍1人、ブラジル国籍1人 で、年齢は16歳から56歳の方です。

 次に、他政令市における設置状況についてですが、川崎市1校、横浜市5校、京都市1校、大阪市4校、堺市1校、神戸市2校、広島市2校となっており、他の7政令市については今のところ設置の予定はないと聞いております。

 次に、設置に向けた検討のスケジュールですが、先ほどお答えしましたとおり、調査研究を第2次5か年計画に位置づけ、今年度より市川市や他政令市の調査を開始したところでございます。
 以上でございます。


30 : ◯4番(長谷川弘美君)

 次は、夜間中学についてです。
 戦後、日本社会の混乱の中で生活のために働かなくてはならず、学校に行けない子供たちに学ぶ場を提供するとして夜間中学は生まれました。その後数年間、夜間中学は各地に広がり続け、1955年には生徒数も5,000人を超えていたとのことですが、その後、義務教育化の中で夜間中学は一たん減少しています。しかし、その後1970年代からは市民運動として増設運動が続けられ、現在は36校となっています。先ほど35校と言いましたが36校です。
 戦後の混乱の中で教育を奪われた人たちは既に老い、たとえ就学の意欲があっても、高い交通費を払い遠くまで通学するには問題が大き過ぎます。
 また、市川の大洲中学校の様子を見ると、夜間中学が 担うもう一つの役割、中国からの帰国者、難民、結婚などによる日本在住の外国人といった人たちへの生活のための日本語学習が見えてきます。全国的に見まし ても、90年代以降の傾向として、外国人生徒の増加が挙げられるとのことです。また、昼間何らかの理由で学校に行けない子供たちへの受け皿にできないかと いった動きもあると聞いております。夜間中学の機能は多様化していると言えます。新たな必要性の急増と進行する老いの現実の中で、行政に対して設置を望む根強い声があります。
 千葉市第2次5か年計画の中で、設置に向けての着実な検討が行われるよう望むものです。


2007.06.21 : 平成19年第2回定例会(第8日目)


18番(長谷川弘美君) 市民ネットワーク

 次は、夜間学級についてです。
 先日、千葉県で公立では唯一の、市川市立の大洲中学夜間学級を見学してま いりました。夕方の5時過ぎから、こんばんは、ニーハオ、ボアノイチ、国籍も年齢もさまざまな人々があいさつを交わし、明かりのともった教室で授業が始ま ります。開校当初は、戦後の混乱期に家計を助け、弟、妹を学校にやるために自分が犠牲になった人たち、あるいは病気療養のために就学猶予免除を受けていた 人たちなどが多かったものの、時を経るにつれて外国人の入学希望者が増加し、現在では、中国、ベトナム、ブラジル、韓国などの人たちも在籍をしておりま す。また、不登校がふえる中、授業参観をして、ここだったら来られるといった生徒の受け入れも行っていると伺いました。この中学の夜間学級の開校に尽力 し、みずからも夜間中学出身の高橋國男元市川市長の言葉が教室の正面に掲げられていました。今からでも遅くない、向学心に燃えて、後に続く人のために頑張ってください。
 しかし、今では、入学希望者が県全域からとなっており、本来、市川市民対象の学校なので、市川市の保証人がいなければならないと制限されており、狭き門になってきております。

 そこで伺います。
  千葉市は、第2次5か年計画での設置検討を行うとありますが、19年度、予算化がなされなかったことは非常に残念です。千葉市が夜間学級の必要性について どのように認識しているのか、伺います。今後、学識者などによる夜間学級設置検討委員会を立ち上げる予定とのことですが、この検討委員会の役割と検討内容 について伺います。
 二つに、設置者は市となりますが、千葉市に夜間学級を新たに設置する上で、どのような設備整備と人的配置が必要ですか。また、財政的な負担についてもお示しください。
  三つ目に、昼間の学校では不登校や引きこもり、また、形式的には中学を卒業できても、基礎的な学力が身についていないという現実もあり、もう一度、学習す る機会を願う者など、教育の抱える多様な問題があります。千葉市内の不登校の児童及び生徒数はどのくらいいますか。夜間学級は、昼間の学校のこれらの問題 に対応する上でも貴重な存在と考えますが、見解を伺います。
 また、千葉から遠いという条件にもかかわらず、過去3年でも17年度7人、18年度 11人、19年度8人の方が通学しています。これまでのほかの自治体にお任せというのでは疑問です。ぜひ、政令指定都市として千葉にも設置し、その社会的 役割を果たしていただきたいと考えますが、見解を伺います。


37 : ◯教育次長(海宝和雄君)

 次に、夜間中学の御質問にお答えいたします。
  まず、夜間学級の必要性についての認識及び夜間学級設置検討委員会の役割と検討内容についてですが、夜間学級設置の検討については、第2次5か年計画事業 に位置づけており、事業の重要性については認識しております。今後、夜間学級設置検討委員会を設け、夜間学級設置について調査研究を進めてまいります。
 次に、夜間学級を設置する上で必要な設備整備と人的配置について、及び財政的な負担についてですが、市川市立大洲中学校などの実施校を参考に、今後、設置予定の夜間学級設置検討委員会の中で検討してまいります。

  次に、千葉市内の不登校児童生徒数はどのぐらいか、また、夜間学級は不登校などの問題に対応する上でも貴重な存在と考えるが見解はとのことですが、平成 17年度の不登校児童数は140人、生徒数は573人です。また、夜間学級における不登校児童の受け入れのあり方につきましては、今後、調査研究してまい ります。
 次に、政令市として、千葉市にも設置し、その社会的役割を果たすことについての見解ですが、中学校夜間学級は全国で35校あり、千葉県には市川市立大洲中学校のみ設置されております。今後、本市として夜間学級設置について検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。


43 : ◯18番(長谷川弘美君)

 夜間学級については、要望を申し上げます。
 市川の大洲中学では、昼間の中学生との交流も行われていて、そこで学校が楽しい、学ぶことがうれしいという夜間中学の 生徒の発言に、昼間の生徒はとても驚くそうです。また、貧困のため学校に行けなかった人たちや中国からの引揚者などの体験をじっと聞き入る生徒たち、昼間 の中学生にとっても、とてもよい刺激となっていると伺いました。また、外国人の児童については、千葉市はその就学に向けての案内はするものの、入学しな かった児童は平成19年には62人もいますが、その後の実態を把握していません。親も子供の教育に関心はあっても、生活が安定しないと就学の見通しも立た ず、放置されてしまうケースも多いようで、不就学がふえたり、非行、低年齢労働などにつながることも懸念されます。教育を受ける機会を失うケースは、時代 の流れの中で、事情もさまざまですが、識字率の高い日本の社会で生活していく上では、最低限必要な教育の機会を設けることは大切です。設置に向けて前進す るよう要望いたします。