札幌市議会 第1予算特別委員会( 2008.3.13)
自主夜間中学に対する支援について
<長谷川衛委員>(民主党・市民連合)
昨年11月に、札幌遠友塾自主夜間中学・北海道に夜間中学をつくる会から、「義務教育を受ける機会が実質的に得られていない人たちへの修学保障を求める陳情」が提出され、今年1月23日の文教委員会で初めて審査が行われたところです。
私も、この問題は教育の機会均等という立場に立って、教育委員会としてどう取り組むかを考えるべきであることを指摘し、公立夜間中学の設置については、1年間かけてでも徹底調査し、札幌に合った運営方式、取組みを検討すべきであり、速やかに現地調査をするよう求めたところです。
この調査・検討については、これから具体的に進められるものと思いますが、その結果を踏まえた本格的な取り組みができるまでの間も、自主夜間中学で学ぶ人たちがより望ましい環境で学ぶことができるよう支援する必要があります。
現在、遠友塾は教育文化会館で毎週水曜日夜活動していますが、部屋の確保などについて配慮されているとはいえ、安定した活動場所と言うにはほど遠い状況であり、早急に学校などの施設を提供し、固定した学びの場を確保すべきだと考えます。
そこで最初の質問ですが、あらためて、遠友塾からの要望内容について再確認したいと思います。また、これに対する教育委員会としての検討状況をお伺い致します。
<加藤生涯学習部長>
現在、札幌遠友塾自主夜間中学は、教育文化会館の4つの研修室を使って活動していますが、安定した活動する場所を確保したい、また、教材等を置くことのできる十分なスペースを確保したいなどの理由から、学校の空き教室や廃校となった学校の教室の提供をしてほしいとの要望があがってきているところでございます。
昨年8月には、大通りを起点として4駅の範囲にある地下鉄駅付近の学校という条件で、専用的に使用できる空き教室を探して欲しいという具体的な話もありました。
教育委員会と致しましては、地理的な条件に当てはまると思われる17の小中学校及び2つの高等学校について、教室の現状や児童・生徒数、学級数の推定や、未整備な施設などへの転用予定なども考慮し調査をしたところであります。
その結果、これらの学校におきましては、現在は、ご希望されておるような専用的に使用できる可能な空き教室はございませんでしたけれども、引き続き協議してまいりたいと考えております。
<長谷川委員>
確かに、すべての条件を満たすことは難しいと思いますが、現状の中で、一歩前に進んでもらいたい、ということを文教委員会でもお願いしています。一度見ていただければ分かると思いますが、強い意欲を持って熱心に学んでいる人たちのことを考え、実現に向けて柔軟に幅広く考えろ必要があると思います。
条件をすべて満たしたところでなくても、話し合いの中で何とかなるのではないか。学校開放ということも含め、あらゆる条件のもとで検討してもらいたい、と要望したつもりです。
最後の質問ですが、教育委員会として、遠友塾と最近話し合いを持っているでしょうか、また、今後、どのように話し合いを進めていくつもりか、質問します。
<加藤生涯学習部長>
これまでも話し合い、議論してきましたし、1月23日の文教委員会後も話し合いの場を持ちまして、希望されている条件の学校施設の利用、使用は、なかなか難しい状況だということなどを説明したところです。
今後についてですが、希望されているような交通至便地では、専用的な使用可能な施設は困難な状況です。
従いまして、例えば専用的に使用できる教室を探すに当たっては、もう少し地理的な範囲を広げて考えられないか、あるいは、また、必ずしも専用にこだわらず、教室を使用することは考えられないか、など、教育委員会の方から両団体の意向の確認を含め、より具体的な協議を進めてまいりたいと考えております。
−−文責:白倉、(管理人)