みなさま
墨田・文花中夜間学級の関本です。
7月26日に東京・江東区で開催した全国夜間中学校研究会「すべての人に義務教育を!専門委員会」主催の研修交流会(江東区に夜間中学校を作るための集い)は、ご協力により大きな成功を収めることができました。
みなさまに感謝申し上げます。
以下概要をご紹介させていただきます。 関本保孝 y.sekimoto@jcom.home.ne.jp
//////////////////////// 7/26全国夜間中学校研究会・江東区集いの概要///////////////////////////////
超党派の区議、夜間中学校関係者(江東区在住等の生徒・卒業生・教職員・元 教職員)、自主夜間中学の生徒及びスタッフ、東京弁護士会人権擁護委員会弁護士、大学の研究者、市民等、北海道から神戸まで広い地域より多様な方々、約90名が参加。この中で体験等に基づく話から「義務教育未修了者にとって夜間中学校は なくてはならないもの」「一日も早く江東区に夜間中学校開設を!」との声が多く出され、共感の輪が広がった。最後に区議さんより「今日は来て良かった」「早く36番目の夜間中学校にしたい」との感想が出され、大変有意義な研修交流会となった。
■江東区議会、4会派来賓参加・1会派メッセージ
「夜間中学だけの問題ではなく、国全体の教育を考え直すことが必要だと思う。」(自民・竹田議員・文教委副委員長)「調べてみて知らなかったことが多かったのも事実。しっかり勉強していきます。」(公明・佐竹議員・文教委委員長)「等しく教育を保障することは行政の最低限の責任である。」(共産・添田議員)「江東区は後ろ向きだが、本来その地域に住んでいる住民の義務教育は国籍・性別・年齢にかかわりなく保障されるべきである。」(市民の声・江東 中村議員)、
メッセージ:「今後とも国政、都政と連携して、夜間中学の充実に向けて努力して行く所存です」(民主クラブ・大家区議)
■江東区在住生徒・教員の話
江東区に住み墨田・文花中、江戸川・小松川二中に通う夜間中学生は「夜間中学は日本で生きていく上でなくてはならないもの」「自転車で1時間もかかり大変。」「ぜひ江東区にも夜間中学を作ってください。」などと訴えた。また両校の教員からは、「江東区在住生徒が毎年20名にものぼり、しかも18才以上は江東区から就学援助が出してもらえず修学旅行を断念する生徒もいる」(文花中)、「毎年10名ほど江東区から入学するが半分の生徒が遠距離通学のため通えなくなる」など切実な状況が報告された。
■江東区に夜間中学をつくる会の話
この会場のある西大島は総武線があり他区の夜間中学に行きやすいが、枝川や塩浜からはバスしかなく通いにくい。江東区から他区の夜間中学に毎年30人以上が通っている。ぜひ江東区の真ん中に夜間中学を作って欲しい。江東区は一貫して夜間中学を作らない方針である。2年前の区議選後に新しい区議にアンケートを取ったところ44人中20人が設置してもいいとの回答を寄せた。
■東京弁護士会人権擁護委員会・山下敏雅弁護士
2006年に日本弁護士連合会が国に夜間中学に関する意見書を出した。全夜中研から各地の弁護士会にも意見書を出すよう要請が来た。人権擁護委員会では他の弁護士にも夜間中学の問題を知ってもらおうと、映画「こんばんは」を見たり、夜間中学卒業生の話を聞いたり、夜間中学を見学したりした。江東区は夜間中学は広域対応という立場を取っている。現在、内部でいろいろな議論をしているので、結論はもう少し待って欲しい。
■夜間中学卒業生の話
「家が貧しく職人になった。夜間中学に入り、1960年卒業。夜間中学では教科書も給食も無料で救われた。それが税金から出されていたと先生から聞いていたので、卒業してから事業を始めたが、納税に納得できた。会社は右肩上がりで成長し社員も安心している。これも夜間中学のおかげである。夜間中学を必要としている人がいる限り、がんばって欲しい。」「小1の時にいじめにあって不登校になった。東京に出てきて最初はフリースクールに入り、その後夜間中学に入った。夜間中学はアットホームで勉強しやすい雰囲気がある。勉強の進歩を先生に評価してもらい嬉しい。」「42才で夜間中学に入学した。消防団に入り分団長になっても字も書けず困った。夜間中学に入って良かった。卒業して35年、78才になった。新聞へ投稿したり自分史・旅行記を書いたりできるようになり人生が開けた。」
■各地の自主夜間中学関係者の話
札幌、釧路、川口、松戸のスタッフからは自主夜間中学の内容・行政等への働きかけの状況が、生徒のみなさんからは自主夜間中学で学ぶ思いなどが熱心に話された。
■江東区議より参加の感想
最後に、参加した江東区議より「 今日は、本当に来て良かった。今後しっかりろいろなところと話していきたい。」「ぜひ36校目の夜間中学開設を実現したい」など前向きの感想が出され、今後に大いにつながるものとなった。