旭川に自主夜間中学が開校

開校式で入学者を激励する「旭川遠友塾」の古野代表


 中学教育を受けられなかった人たちをボランティアが支える自主夜間中学「旭川遠友塾」(代表=古野博明・北海道教育大旭川校教授)が26日、開校し、1期生となる中学1年生から84歳まで25人が入学した。授業は5月10日から始まる。


 道内の自主夜間中学は、札幌遠友塾(札幌市)に続いて2校目。開校式は、教室となる上川教育研修センター(旭川市6条通4)で開かれ、入学者のうち20人が出席した。古野代表は、入学者の意欲をたたえ、「学ぶ者も教える者も初心に帰って地道な努力をしていきましょう」と呼びかけた。


 授業は毎週土曜に行われ、国語、英語、数学の3教科を学ぶ。年度ごとに修了式を行い、3年間を終えると卒業となる。教師や学校運営にはボランティアが当たり、現在、約40人が登録している。


 この日入学した旭川市の高橋一子さん(84)は「最近は横文字が多いので英単語を少しでも覚えたい。健康で3年間を終え、卒業するのを目標にします」と意欲を見せ、同市内の大沢路(みち)さん(83)は「少し勉強して脳を活性化させたい」と話していた。


 文部科学省によると、公立の夜間中学校は全国8都府県に計35校あり、生徒数は2317人(昨年5月1日現在)。道内に公立はなく、1990年に設立された札幌遠友塾が旭川市や釧路市などからも生徒を受け入れ、この春まで270人以上が卒業した。


 札幌遠友塾代表の工藤慶一さん(59)は「同志として、旭川遠友塾と協力し合っていきたい。学びたくても学べなかった人たちの身近な所に自主夜間中学ができるのは、うれしいの一言だ」と祝福している。

2008427日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20080427-OYT8T00038.htm