釧路の自主夜間中学「くるかい」*開校記念 5月9日講演会
*映画「学校」のモデル 見城さんが講師/東京の卒業生 体験談を発表
2009.03.14 北海道新聞朝刊地方 29頁 釧C
自主夜間中学「くるかい」が五月九日に開校するのを記念して、釧路での設立を進めてきた準備会(世話役代表=添田祥史・道教育大釧路校講師)は同日午後一時半から釧路市生涯学習センター(幣舞町四)の多目的ホールで講演会「誰でも通える学びやを−願い続けた夢をかなえよう」を開く。この中で、正式に開校を宣言する。
講師は、東京・墨田区の自主夜間中学「えんぴつの会」の見城慶和(けんじょうよしかず)代表。東京で四十二年間、公立夜間中学の教師や嘱託を務め、その実績が評価されて一九九九年、第三十三回吉川英治文化賞を受賞した。「夜間中学校の青春」(大月書店)の著書があり、山田洋次監督の映画「学校」でモデルの一人にもなった。
「夜間中学はぼくらのふるさと」と題し、夜間中学の役割や人間にとって学ぶことの意味について講演する。
東京の公立夜間中学で学んだ経験を持つ土屋裕子さん=さいたま市在住=も「もう一度だけ勉強したい!」と題し、体験談を発表する。土屋さんは、小学校から不登校を経験。二十歳になったのを機に入った夜間中学を卒業後、現在は教師を目指して大学に通っている。
準備会事務局の賀根村伸子さんによると、三月十日現在、「くるかい」の学習希望者は二十代から八十代まで三十一人、運営を支えるボランティア希望者は四十三人になった。「くるかい」は四月中に体験入学会を開いた上で、五月十二日から毎週火曜日夜、釧路市総合福祉センターで活動する。
講演会の参加費は五百円。問い合わせは、賀根村さん(電)080・5595・7015。
(島田季一)