旭川市の自主夜間中学で修了式 「学ぶ喜び知った」と笑顔(03/28 20:25)

「旭川遠友塾」の修了式で、修了証を手に笑顔の小畑啓子さん=28日午後、旭川市


 戦後の混乱や病気などが原因で義務教育を修了できなかった人たちに学ぶ場を提供する旭川市の自主夜間中学「旭川遠友塾」が28日、開校から1年を迎え、初年度の修了式を行った。修了証を受け取った生徒たちは「学ぶ喜びを知ることができた」と笑顔を見せ、スタッフに感謝の言葉を述べていた。

 塾では、毎週土曜日の夕方、約20人がボランティアから国語や数学、英語を学んだ。3年間で中学卒業程度の学習を目指している。

 生徒の1人、小畑啓子さん(76)=旭川市=は樺太で終戦を迎え、14歳のとき生まれ故郷の旭川市に戻った。幼い弟3人と妹がいたが、父はシベリアに抑留されていた。帰国翌日から知人の店で皿洗いの仕事を始めた。樺太では尋常小学校に通っていたが、混乱が激しく、最後の1年はほとんど通えなかった。帰国して数年は教育委員会から声がかかったものの「勉強したい気持ちはあったが通学はあきらめた」。

 塾を知り、一番に申し込んだ。クラスメートと共に学ぶのは「60年間待った」ことだ。夢がかなった。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/education/155643.html