平成19年9月26日
北海道議会議長 釣部 勲 様
北海道に夜間中学をつくる会 共同代表
札幌遠友塾自主夜間中学 代表
札幌市豊平区西岡5条13丁目7−5
工藤慶一
紹介議員
小林郁子 広田まゆみ 戸田芳美
八田盛茂 花岡ユリ子 真下紀子
義務教育を受ける機会が実質的に得られていない人たちへの
修学保障についての請願書
請願の要旨
日本弁護士連合会は、2006年7月20日の理事会において、「学齢期に修学することのできなかった人々の教育を受ける権利の保障に関する意見書」を取りまとめ、同年8月10日、内閣総理大臣・文部科学大臣・厚生労働大臣・衆議院議長・参議院議長に提出しました。
すでにご承知のことと存じますが、その意見の趣旨は、つぎのとおりです。
国は、戦争、貧困などのために学齢期に修学することのできなかった中高年齢者、在日韓国・朝鮮人および中国帰国者などの多くの人々について、義務的かつ無償とされる普通教育を受ける権利を実質的に保障するため、以下の点を実施すべきである。
1. 義務教育を受ける機会が実質的に得られていない者について、全国的な実態調査を速やかに行うこと。
2.上記の実態調査の結果をふまえ、
公立中学校夜間学級(いわゆる夜間中学)の設置の必要性が認められる地域について、当該地域を管轄する市(特別区を含む。)町村および都道府県に対し、その設置について指導および助言をするとともに、必要な財政的措置を講ずること。
その他の個別のニーズと地域ごとの実情に応じ、@既存の学校の受け入れ対象者の拡大、Aいわゆる自主夜間中学などを運営する民間グループに対する様々な援助(施設の提供、財政的支援など)、B個人教師の派遣を実施することなど、義務教育を受ける機会を実質的に保障する施策を推進すること。
なお、この日弁連「意見書」には、札幌遠友塾自主夜間中学からも受講生、スタッフなどが申立を行っております。
また、2001年12月、国連総会は2003年から2012年までを「国連識字の10年:すべての人に教育を」とする宣言をしました。その宣言は、すべての人に読み書きの能力を与えること、すべての人に基礎教育を保障することを謳ったものです。
こうした中、遠友塾は、1990年4月に開講し、これまでに253名の卒業生を送り出しております。本年度も、85名が受講しており、受講生は増えてきており減少することはありません。近年はさきの「意見書」に述べられた人たちに加え、不登校で義務教育を修学できなかった人たちも受講しております。
さらには、旭川市においても、民間グループが自主夜間中学を開講しようと準備を進めております。わたしたちはこの活動と連携をとり、遠友塾受講生との話し合い、会場の確保や授業計画など、これまでの経験を共有しております。そして、わたしたちは、旭川市およびその周辺地域における義務教育を受ける機会が実質的に得られていない人たちが、一日もはやく修学できるよう努めております。
よって、道議会において、義務教育を受ける機会が実質的に得られていない人たちにつぎのことを配慮お願いします。
記
1. 公立中学校夜間学級設置および教員配置について設置主体たる市町村へ指導、助言を行うこと。
2. 自主夜間中学から市町村への教室確保の要望があった場合に指導、助言し、市町村をまたぐ遠距離通学などに就学可能な支援を行うこと。