これまでは各党派の文教委員に夜間中学への支援、協力をお願いしてきましたが、これからは各政党幹事長と話し、政党としての支援、協力をお願いすることにしました。(第4回事務局会議での確認によります)
「北海道に夜間中学をつくる会」は10月29日(月)、札幌市議会公明党の涌井国夫幹事長と自民党の山田一仁幹事長にお会いし、本年5月に上田札幌市長に要望した5項目についての内容説明と、市議会へ提出を予定している請願ないし陳情などへむけた各政党の協力をお願いしました。
札幌市議会公明党 涌井国夫幹事長との会談(10月29日)
工藤共同代表、清水事務局長ほか泉、飯塚、白倉、丸山の6人が参加しております。
公明党の涌井幹事長との会見には、谷沢俊一文教委員長も同席されました。
まず、工藤代表や飯塚さんが、道議会への請願提出までに至る経緯を説明しました。
公明党道議が請願書紹介議員になってくれ、すぐに遠友塾の参観に来て頂いたことの礼を述べました。
道および道教委の見解表明に比べ、札幌市および市教委の見解があまり明確でないことから、議会の力添えをお願いしたい旨を伝えました。
これに対し涌井幹事長らは「事前に要望内容はうかがっている」とし、市教委にこの点の見解を質していました。
@ 学校教育法に基づく夜間中学となれば、全科目を組んでの通常教育となり、教室や教員の確保など、本格的なものになる。それに対し、実際にどれくらの生徒が応募するか不明であり、市教委として具体案が出せないと聞いている。
A 帰国者の日本語習得とか、受講生が基礎教養的なものを身につけたいというのであれば、生涯教育(社会教育)の中でそうした内容を学べる枠を設けるなど、柔軟に対応して行けばいいのでは、などと話されました。
その上で、まず義務教育未修了者で学校に通学し学ぶ意欲がある人数の調査が必要であり、市教委から実態調査を遠友塾に委託することは、「いかがか?」と提案されました。
「つくる会」としては、
国勢調査から道内に10万人の義務教育未修了者が推定され全国で2番目に多く、遠友塾の受講生からみても、かなりの人たちがいると予想されること。
来春に和歌山市で夜間中学が開設されるなど全国的動きにあることなどを説明しております。
義務教育未修了者の調査については、遠友塾受講生や卒業生に対してであれば可能だが、それは全道規模の問題であり、この調査を遠友塾が受けることは現実には難しいことを述べております。
遠友塾の一番の願いは教室の確保である。かねてから要望している「市立札幌大通高等学校」の教室が使用できれば、授業日数を増やすなどの取り組みを通して、受講希望者から学びたい人の人数が出てくるのではないか。
それより何より、自主夜間中学から定時制高校へ入学し卒業した人でも、中学卒業証書がないという心の傷は消えないものだ、という心情を訴えました。
涌井幹事長らは夜間中学の設置に向け、どのような課題を解決していけば良いか何年か先を見据えて、時系列的に示して出してほしい、と話されました。そして、今後も力を合わせてやっていきたいと、協力を約束してくれました。
札幌市議会自民党 山田幹事長との会見(10月29日)
自民党の山田幹事長との会見には、宗形雅俊文教委員が同席されました。
遠友塾や「つくる会」のこれまでの活動、夜間中学の全国の状況などについて説明しました。
山田幹事長は次のように述べられました。
話は聞いていたが、市教委に遠友塾の年齢層や人数を聞いても把握していなかった。
以前、文教委で質疑があったのを記憶しているが、その後に質疑がなかった。
今回、あらためて協力をということだと理解する。
工藤代表は
市側とは教室使用の問題で何度も折衝を続けてきたが、口頭でのやりとりのせいか、具体的な回答がないため、書面で要請を行い、また議会の力にお願いすることにもなったことなどの事情を説明しました。
札幌市は市民会館閉鎖に伴う代替教室の使用要望に、教育文化会館を斡旋してくれ、遠友塾を公立学校等に準ずるとして、会場の使用料の半額減免措置を講じていただいた、ことを伝えました。
「つくる会」として、「札幌遠友塾」に学校の教室を使わせて欲しいということと、公立の夜間中学を設立して欲しい、という請願あるいは陳情を考えており、「全政党の力をお借りして、学びの場を確保していきたい」と訴えました。
宗形議員は「市立札幌大通高等学校」での併設はどうかとの私案を、山田幹事長に説明されていました。
幹事長は「読み書きを学びたい人、全科が必要な人の把握など難しい問題はあるが、どんな
内容でどんな扱いが出来るか検討したい」と述べました。
「つくる会」は、その検討のためにも、自民党議員の遠友塾への参観をお願いしました。
幹事長は「請願書の提出にあたり、全政党からの紹介議員を得るにしても、窓口政党をどこに選ぶかは明らかにしてもらいたい」と、述べられました。
山田幹事長としては自民党を窓口に請願書を出すと思われたようで、文面などにしても党で考え各政党と摺り合わせするとい認識だったようです。
わたしたちも、「請願書の提出は初めて経験であり、勉強させてください」とお答えし、改めてご相談に伺うことをお約束しました。
文責:丸山、管理人