開 会 午後1時
●谷沢俊―委員長 ただいまから、文教委員会を開会いたします。
報告事項でございますが、本日再審査を行う陳情第4号については、お手元に配付のとおり、1月15日付で要旨の一部に訂正がございました。また、陳情第14号の提出者からは資料の提出がございますので、お手元に配付しております。陳情第15号については、署名の追加があり、本日までの合計署名者数は7万7、967人となっております。
それでは、議事に入ります。
最初に、陳情第14号 義務教育を受ける機会が実質的に得られていない人たちへの修学保障を求める陳情を議題といたします。
陳情第14号は、本日が初審査でございますので、提出者から趣旨説明を受けるため、委員会を暫時休憩いたします。
休 憩 午後1時1分 =提出者からの陳述
再 開 午後1時24分
●谷沢俊―委員長 委員会を再開いたします。
質疑を行います。
●長谷川 衛委員 私から、何点か質問がありますが、まず、1点目は、前段の非常に基本的な部分をお聞きしたいと思います。 今、工藤代表からるる述べられました、今回の義務教育を受ける機会が実質的に得られていない人たちへの修学保障についてという問題でありますが、この件については、本来、遠友塾から要望があってその一つ一つに対応していくという問題ではないのではないかと私は基本的に考えるわけであります。何といっても、教育の機会均等という立場に立つのであれば、教育委員会は、本来、教育条件整備というものを担っていく立場でありますから、主体的にこの種の問題を考えていくベきであると私は思うわけであります。
最初にお聞きいたします。
まず、学ぶ意欲を強く持ち続けている人たちヘの教育委員会としての基本的なスタンスをお伺いします。
●加藤生涯学習部長 1点目についてお答えいたします。
これまで、さまざまなご事情により、過去に十分に学ぶ機会のなかった方がおられ、学齢期を過ぎた今なお、札幌遠友塾自主夜間中学などにおいて学ぶ意欲を持っておられることにつきましては、重く受けとめているところでございます。こうした方々の学習意欲に対して、適切にこたえていくことは極めて重要であると考えております。
教育委員会といたしましては、引き続き、ここで学ばれ、さまざまな困難を抱えながら学ぶ意欲を強く持ち続けてこられた方々の思いにこたえるため、具体的にどのような取り組みを行っていくことができるか、積極的に検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
●長谷川 衛委員 今は最も基本的な部分の質問でありますから、そういう面では前向きな回答をいただいたというふうに私はとらえたいと思います。
そこで、これから具体的な質問を幾つかしたいのですが、2点ほど質問させてください。
まず、1点目でありますけれども、公立夜間中学校の設置についてであります。
先ほど工藤代表からも全国の状況についてのお話がありました。現時点では、全国に35校の公立夜間中学校が設置されていて、政令都市7市において15校の設置状況というふうに聞いております。公立夜間中学校については、私も深いところまでの調査はまだ進めておりませんけれども、各地域においてその地域独特の歴史的な経過を踏まえながらそれぞれ独自の運営をしており、全国一律に、同じような形で夜間の公立中学校が設置されているというふうには押さえておりません。
そこで、今、教育文化会館を使い、週1回、水曜目の夜に行われておりますけれども、まず一つは現在の遠友塾をぜひ見ていただきたい。どれほどの方がどれほど熱心な姿勢で臨んでいるかということをぜひ見ていただきたいと思うわけであります。そして、全国にある夜間中学校、それから、プラスして、先ほど工藤代表からもぜひ見てほしいということで具体的に学校を絞って幾つか挙げられましたけれども、私は、これらの学びたいという多くの方々に対して札幌市が誠意を見せるのであれば、やはり、実地の視察も含めて、まず1年かけてじっくりと調査をしていただきたい。 じっくりというのは、ゆっくりという意味ではありません。早急に、一つ一つを目と耳でしっかりと確かめながら、そして、具体的な将来方向を展望しながら実態調査をしてもらいたい。その上で、札幌市に合った運営形態を検討して実現していく、こういう腰の据わった取り組みをすべきと私は考えるわけであります。
そして、札幌市としては、公立の夜間中学校という設置が望ましいのか、それとも、生涯教育という立場で、現在通われている方々を中心にしたニーズをしっかりと受けてさまざまな財政的支援等々を行っていくのが望ましいのか、これは、その結果の上で、議論の上で結論が出てくるだろうというふうに思うわけであります。
そこで、1点目の質問ですが、公立の夜間中学校について、他都市の実態を1年間かけて徹底調査し、その上で、いわゆる札幌方式を検討し、実現する取り組みをすべきと私は考えているわけでありますが、この点についての見解を伺います。
2点目は、学校教室の提供についてです。
今回の陳情でも学校教室の提供が述べられております。今、私が前段で言いましたことは、先の見通しを踏まえた上での質問でございますが、当面、現在も遠友塾は延々と続けているわけであります。そして、その中でも、先ほど話を聞いても、教材教具の問題を一つとっても現実に置く場所にすら困っている。そして、使いたい教具もまだまだたくさんあるけれども、実際には財政面を考えて、使う教室、施設の面を考えてもなかなか困難である、こういうような話だったわけであります。私は、先ほどの基本的な姿勢に立つのであれば、本来、今受講している方々がよりよい環境で学べるような支援は、当然、札幌市が、そして教育委員会が主体的につくるべきであって、現在のような不安定な状況の中で学ぶということは教育的には決して本来の姿ではない、こういうふうに思うわけであります。
そこで、質問でありますけれども、地理的な条件も再検討しながら、1教室でも2教室でも固定的に学ぶことのできる余裕教室のある学校を提供すべきである、私は基本的にこう思うわけでありますが、この点についていかがか、お尋ねいたします。
以上、2点、よろしくお願いいたします。
●西村学校教育部長 まず、私の方から1点目についてお答えいたします。
他都市の実態を徹底調査して、その上で札幌方式を検討し、実現に向けた取り組みをすべきというご質問でございます。
公立夜間中学の設置に当たりましては、受け入れ対象者、あるいは教育内容、場所の確保など検討、整理を要するさまざまな課題がございますことから、他都市における取り組みや運用状況を参考とするために、現在、既に公立夜間中学を設置している7政令指定都市に対して調査票による文書照会を行うとともに、各都市の取り組みについて必要に応じて聞き取りを行うなどの実態調査を進めているところでございます。今後、これら他都市等の実情を踏まえた上で、本市における課題を整理しながら、札幌市としてどのような取り組みが望ましいのか、あるいは、よりニーズにこたえられる学習機会の提供ができるか、そのあり方につきまして検討してまいりたいというふうに思っているところでございます。
●加藤生涯学習部長 2点目についてお答えいたします。
札幌遠友塾自主夜間中学につきましては、先ほどのご説明にもございましたが、現在、毎週水曜日の夜に、教育文化会館の四つの会議室を使用して講座を開いておられる状況でありますけれども、団体の皆様からは、専用的に利用できる活動場所として、例えば、学校の空き教室や廃校となった学校の教室を提供してほしいとのご要望を受けており、これまでも協議をしてきたところでございます。具体的には、大通駅を起点として4駅の範囲で、高齢者も徒歩で通いやすい地下鉄駅付近にある学校を使用したいと伺っております。このような条件に当てはまる学校につきましては、今後の児童生徒数の推移等から、外部の皆様が専用的に利用できるようなまとまった空き教室の確保は困難な状況でございますけれども、お話にありましたように、地理的な条件だとか使用形態などについて団体の皆様のご希望もよく伺いながら協議を続けてまいりたい、このように考えているところでございます。
●長谷川 衛委員 今、2点の回答がありました。それに対して、再質問ではなくて、要望をしておきます。
一つは、西村部長から答弁のあった調査の件ですが、先ほど私がお願いしましたけれども、やはり、ぜひ現地調査をしてもらいたい。そうなると、当然、予算措置が必要でありますから、予算措置をしっかりしてもらいたいということを私は強く要望しておきたいと思います。
それから、二つ目の教室の確保の問題でありますが、交通の便のいいところで通いやすいところ、これは当然のことであります。 しかし、余裕教室がないから無理だということになるのであれば、これは前向きな回答にはならないのであります。私は、少なくとも、先ほど言ったように教材教具を置く場所もないわけですから、そうすると、最低限、固定できて、それらを置ける場所は今どうしても必要なのですよ。それでなければ、いい教育というのは、スタッフの方が幾ら一生懸命にやっても限度があるのです。ですから、その辺も含めて、少し柔軟に幅広く、なおかつ固定できる、こういう要素をしっかりと踏まえた上で確保していただきたい。私はできると思っていますから、早急にお願いします。これは要望しておきます。
最後に、再質問になりますが、先ほど来、教育委員会としては、これまで学ぶ意欲を持ち続けている人たちに対する教育の機会の提供が必要であると考えているという表明がありました。先ほど工藤代表から国勢調査の資料が出されましたが、これだけの人が修学する機会を失っている、また受けていないと。私は、今受けている方は85名でありますけれども、実際には、いざ、受けてみたいという気持ちの方を調査すれば相当な数に上るのではないか、残念ながら条件が整っていないために、なかなか行きたくても行けない、手を挙げられない、こういう方も相当いるのではないかと思うわけであります。
そこで、これに関連するのですが、ことしの春、新しい札幌大通高校が開校いたしますね。旧校舎のままですが、ことしの4月に開校すると聞いております。この間、私は、昨年の決算特別委員会の中でも新大通高校について何点か質問いたしましたけれども、この大通高校は、不登校を経験した生徒、中途退学した生徒も受け入れることを想定しているわけです。また、今まで学ぶ機会を失ってしまった、さらには、学び直したいという意欲を持っている市民に対して、年齢を問わず、学びの機会を与えるというコンセプトを持った学校であると聞いておりまして、私はこのコンセプトにとても共感しているわけであります。そこで、札幌大通高校は、さらに一歩進んで、このようなコンセプトの延長上として、高校段階の学びに限定することなく、学び直したいという市民に対して、より幅広い学びを提供してもいいのではないかと私は考えているわけであります。
そこで、質問でありますが、このような学び直したいという市民に対して大通高校においてその機会を与えることについて、教育委員会としての見解を最後にお聞きしたいと思います。
●西村学校教育部長 お話のございました、もう一度学びたい、あるいは学び直したい、そういう強い意欲を持ち続けておられる方々に対して、札幌大通高校においてその機会を与えることはいかがかというご質問でございます。
委員ご指摘のとおり、札幌大通高校は、不登校を経験した生徒や中途退学した生徒、さらには、何らかの事情で青年期に高校教育の機会に恵まれなかった成人の方々など、いわゆる学びに対して強い意欲を持ち続けておられる市民の方々に対して、その多様な学習ニーズに応じて学習機会を提供することを基本理念の一つとした高校でございます。こうした基本理念を踏まえて、高校教育のみならず、幅広く学びの機会を提供することも課題の一つであるというふうに考えており、教育委員会といたしまして、その具体化につきまして今後検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
●長谷川 衛委員 最後に、幾つか要望させていただきます。
先ほどその部分での要望をいたしましたけれども、そのほかに、きょうは、質問に対して非常に前向きな回答をいただいたというふうに私は押さえております。その前向きな回答について、先ほども言いましたけれども、ゆっくりではなく、団体との協議を進めながら、より一日も早く具体化できるような話し合いを早期に持っていただきたい、これを要望しておきます。
それから、しつこくなりますが、遠友塾を一度見てください。教育委員会の方々は、ぜひ一度見ていただきたい。
それから、最後になりますけれども、財政支援の問題です。きょうは調査のための一定の予算措置をしてもらいたいという要望をしておきましたけれども、今後、やはり財政支援というのは欠くべからざる問題であります。これだけの厳しい予算の中で、本当にボランティア精神の中で大事な教育を担っている。そうなりますと、限界があるということは皆さんもわかると思うのです。
その財政支援をどうするかというのは、札幌市の厳しい財源の中で、すべてを札幌市が賄うのかと。しかし、もう一つには、昨年の4定で市民まちづくり活動促進条例が通りましたけれども、この条例の中で基金というものが設置されるわけですね。私は、この基金というものもこれから非常に重要な意味を持つと思うのです。このような活動を支えるということにも私は意味を持っていると思いますので、当面の措置としてはこれらの基金も使いながら、しっかりとした財源措置を行ってもらいたいと強く要望して、私からの質問を終わります。
●宗形雅俊委員 私の方からも、質問させていただきたいと思います。
まず、冒頭に、札幌遠友塾自主夜間中学の19年にもわたる活動について、工藤代表を初めとした皆様に、私も敬意を払いたいと思います。きょうは審議の内容も結構多いものですから、前置きはなく端的に、率直に聞いていきたいと思います。
私が思っていた質問は長谷川委員と重なりますので、それはカットして聞いていきたいと思いますが、まず、教育長に率直にお伺いいたします。
今回の札幌遠友塾自主夜間中学の活動や、さまざまな理由で修学できなかった、それから、実質的に義務教育を受ける機会がなかった方々が教育を求め、自主夜間中学に通うことについて、率直な感想をお聞かせ願いたいと思います。
それからもう一つ、陳情理由の1に「修学することのできなかった」と、2に「義務教育を受ける機会が実質的に得られていない」という文言がございます。これを踏まえて、この二つの対応について、本市教育委員会は、いわゆる市民講座的な社会教育という位置づけととらえるのか、学校教育という位置づけととらえるのか、この見解をお示し願います。
●奥岡教育長 先ほど陳情者の工藤代表のお話もありましたし、私も、要望書とかお手紙を拝見させていただいております。その中で感じることですが、札幌遠友塾自主夜間中学につきましては、それぞれの事情のもとに、先ほど戦争が一番大きいというお話がありましたけれども、過去に学ぶ機会が十分になかった人たちに対して学びの場を提供する、そして夢や希望をかなえるという目的で、約19年間にわたり、地道に、そして、大変不便を感じながら、本当に一生懸命活動している団体だなと考えております。私といたしましては、本当に団体の活動に深く敬意を表したいというふうに思っております。
また、過去に十分に学ぶことのできなかった方々の学びたいという意欲、気持ち、そして学んでいるときの喜びとか充実感、こういったものは、私は本当に極めて貴重なものであると受けとめているところでございます。
●西村学校教育部長 そもそも修学できなかった方、あるいは、修学はしたが、実質的に学ぶ場を得られなかった方々に対する教育の場というものは、学校教育、社会教育のどちらの場ととらえるかという質問だと考えます。
大まかな区分でございますけれども、学校教育は、組織的、体系的に教育を行うために計画的に設置された施設としての学校において実施される教育を学校教育と考えます。これ以外の教育は、社会教育の範疇になるものと考えております。今日の社会教育は、知識や教養を求める人々のために、その課題の達成を援助するために提供される教育活動と言うことができるかと思います。したがいまして、基本的には、カリキュラムに基づき、義務教育未修了者が公立夜間学校に学ぶことは学校教育となり、広く自由な枠組みの中で、過去に十分に学ぶ機会がなかった方々が自主夜間中学に学ぶことは社会教育だろうというふうにとらえております。
●宗形雅俊委員 教育長の見解をお聞きしますと、我々と同じような気持ちで考えていらっしやるということと、先ほども長谷川委員に答えられましたけれども、前向きな検討ということでぜひお願いしたいなと思っています。
次に、先ほど陳情者による補足資料のご説明の中で、2000年の国勢調査のときの数がございます。 2000年というと8年前でございますが、この数を見ていますと、高齢の方も多いところでございますが、この後、こうした実態の数字について把握しているかどうか、お伺いしたいと思います。
それから、二つ目は、陳情要旨の2でございますけれども、北海道におけるセンター校の役割を担う公立中学校夜間学級の設置を求めるとありますが、札幌遠友塾自主夜間中学に通う方は札幌市民以外の方もいらっしやるというふうにお聞きしております。そうなると、札幌ということではなく、北海道全体といったことも絡んでくると思いますので、道教育委員会の範疇も視野に入れていかなければならないと思いますが、道教育委員会の見解はどのようになっているのか、お示し願いたいと思います。
それからもう一つ、通われている生徒の中には、中国帰国子女の方もいるようでございます。本市では、遠友塾以外に帰国子女の方が学ぶ手だてがないのか、それも教えていただきたいと思います。
それから、先ほどの長谷川委員の質問と重なりますけれども、財政的援助の中で、本年4月より市民まちづくり活動促進条例が施行されますが、この遠友塾の活動は性格的にまちづくり活動としてとらえられるのか、この見解も教えていただきたいと思います。
●西村学校教育部長 初めの3点につきまして、私からお答えしたいと思います。
1点目の未修学や教育を望んでいる人の把握についてでございます。本市におきましては、義務教育未修了者の人数に係るデータは存在しておりません。また、新たに年齢超過の義務教育未修了者を特定するためには、15歳以上の方々の全市民を対象として実態調査を行うことになりますが、市民のプライバシーに直接かかわる問題でもございますし、加えて膨大な業務量を要することから、実施することは難しいというふうに考えております。 したがいまして、こうした義務教育未修了者の中で教育を受けたいとする人数については把握していないところでございます。
2点目でございますが、公立夜間中学に北海道におけるセンター校の役割を担わせることへの北海道教育委員会の見解についてでございます。
北海道教育委員会は、19年の3定道議会におきまして、公立中学に公立夜間中学を設置する際、中学校を設置しております市町村が都道府県教育委員会に届け出を行うこととされており、今後、教育内容や教員の配置など、夜間中学設置にかかわる関係自治体からの相談や問い合わせなどに対して必要な助言・指導を行ってまいりたいという姿勢を示しているところでございます。また、北海道議会の文教委員会におきましても、今回の陳情と同じ内容での請願を受理しておりまして、継続審議となっているところでございます。
3点目でございますが、遠友塾以外に中国帰国子女等が学ぶ手だてについてでございます。
こうした帰国子女等に対する福祉的支援や日本語教育支援につきましては、厚生労働省の所管と認識いたしております。現在、帰国者は、帰国直後から中国帰国者定着促進センターにおいて6ヵ月間の基礎的日本語や基本的生活習慣などの指導を受けた後、北海道中国帰国者支援・交流センターにおきまして、永続的に日本語指導、生活相談・指導など定着、自立のための継続的な支援を受けているところでございます。
●加藤生涯学習部長 最後に、財政支援に関して、市民まちづくり活動促進条例に基づく市民まちづくり活動促進基金の対象になるかどうかについてのご質問がございました。
団体の活動が公益的な活動分野におけるものでございますことから、助成の対象になると思われますけれども、詳細については、ことし4月からの条例施行に向けて、現在、担当している市民自治推進室で作業を進めているところでございますので、そちらとも緊密に連絡をとり、団体に対して必要な情報を提供できるようにしたいと考えております。
●宗形雅俊委員 最後に、要望でございますが、決算書を見ると、大変な苦労をされながら運営されているということもありまして、予算措置という問題などいろいろな検討があると思いますけれども、そういう中で市民まちづくり活動促進条例などをうまく利用できないのかなということでお聞きしたわけでございます。先ほど陳情者の方からもありましたように、やはり、憲法第26条に照らして、教育の場の提供といったものをぜひお願いしたいと思います。私も、長谷川委員と同様に、札幌市立大通高等学校が3部制という性格であること、また中心部に非常に近いということで、そういったことも視野に入れながら、教育の場の提供ということをぜひ要望して、終わりたいと思います。
●高橋 功委員 私も、数点お伺いいたしたいと思います。
この陳情は大きく2点の趣旨がございまして、札幌遠友塾自主夜間中学に対する支援として、学校教室の提供と財政的支援が一つと、ぜひ公立夜間中学校をつくってくださいという2点ですね。
まず、最初の札幌遠友塾自主夜間中学に対する支援という観点で、先ほど来、同僚委員からも同趣旨の質問がありましたので、重複しない範囲で、私もお伺いいたします。
要するに、平成2年から、18年間にわたって札幌遠友塾がいろいろご苦労されてきているんですね。今、工藤さんからもお話がありました。私も生涯学習を支援するという観点から大変大きな役割を果たしてこられていると思っているのですが、教育委員会として、札幌市として、札幌遠友塾自主夜間中学の活動を評価しているのか、していないのか。こういう聞き方をして、していないという話にはならんのかもしれないけれども、どういう評価をしているのかということは、次に私が伺うことに関して大事なので、もう一回、確認の意味で、どういう評価をされていますか。まず、そこをお伺いしておきたいと思います。
●加藤生涯学習部長 どのような評価をしているかということでございますけれども、一部重複するかもしれませんが、札幌遠友塾自主夜間中学につきましては、それこそ、さまざまな事情により過去に十分に学ぶ機会がなかった方々のために、学びの場を提供するという目的で活動している団体であると認識しております。そしてまた、学ぶ意欲を持つ方々に対してその学びの場を創出する、それから、活動の支援にかかわっていこうとする多くの方々の存在があることにつきましても大変貴重なものであると考えております。
教育委員会といたしましても、生涯学習の観点から大事な役割を果たしていただいていると考えておりまして、これまでも可能な範囲で支援をしてきたところでございます。今後につきましても、先ほど来申し上げておりますが、引き続き団体と協議しながら、どのような支援が可能か、検討してまいりたいと考えているところでございます。
●高橋 功委員 ですから、これは、べき論になるのだけれども、今言われたことは、要するに、いろんな事情で学習の機会に恵まれなかった、与えられなかった方々への対応というのは、本来こういうボランティアの方々にお願いしていいのかという議論になると私は思う。先ほども同僚委員が言っていたけれども、本来、行政がもっともっとかかわるべきではなかったのかということを私は思うのです。
そこで、今、大変評価をされているけれども、札幌市は今まで何をしてくださっていますか。行政の支援は必要なのですよ。ボランティアではもう限界がある。先ほど遠友塾の工藤さんからお話があって、資料もあって、私もあの資料を初めて拝見しましたけれども、圧倒的に会場費がかかっていますね。かかっていますよ。ですから、学校の教室を提供してください、学校の教室が使えたら少なくとも会場費はただになる。まさか学校の教室を使ってもらって会場費を取るはずがないのだから。そうでしょう。
また、学校の教室の提供とあわせて、札幌も大変広いから、できる限り中央区の交通の便利なところ、先ほど部長は大通駅から駅三つと言ったか、四つと言ったか、いずれにしても、かなり限定した範囲でしょう。この交通至便なところでお願いしますと。だけど、一方で、私も文教委員を長くやっているからわかるけれども、札幌市内の都心部で空き教室のある学校というのはそんなにないじやないですか。先ほどの答弁でもありましたね。
そういうことから言うと、やっぱり、先ほどから話題になっている大通高校は、私はキーワードとして大変大事だと思っているのですよ。平成22年に新しい校舎が完成するでしょう。最初は、大通小学校旧校舎というか、仮にそういうところの使用になるのかもしれませんが、22年には新校舎が完成するんだ。完成した暁には、活動場所として提供できないのですか。そのことを明らかにできないだろうか。
私は、今の条件からいっても、遠友塾の方々のご希望からいっても、北2条西11丁目で地下鉄の駅からそう遠くないでしょう。そういうことからいっても、とりわけ平成22年の新校舎完成の暁には大通高校を活動場所として提供することについて、改めて見解を求めたいと思います。
●西村学校教育部長 大通高校におきましては、先ほど長谷川委員にもお答えいたしましたように、不登校経験者あるいは中途退学者だけではなくて、委員ご指摘のとおり、外国人あるいは帰国生徒などに対しましても十分配慮した取り組みを行うこととしており、市民に対して広く再チヤレンジの場を提供することを学校のコンセプトの一つとしているところでございます。
大通高校の新校舎につきましては、開かれた学校づくりの観点というところから、校舎の一部の施設について、学校運営に支障のない範囲で市民の方々に開放するエリアを設ける予定でおります。
教育委員会といたしましては、関係の皆さんのご意見などをお聞きし、あるいは、市民開放の条件等を考慮した上で、先ほどから出ております小・中学校の空き教室も合め、大通高校の市民開放スペースなども念頭に置きながら、今後検討を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
●高橋 功委員 ですから、大通高校の、特に平成22年にできる新校舎に札幌遠友塾という看板を掲げろとは言いませんよ。そうしたら、完全に365日専用になってしまうからね。でも、少なくとも定期的に使えるようなことはぜひ検討していただきたい。せっかく20年近くにわたるこういう活動があって、先ほど評価しているというふうにおっしやっているのだから、やっぱり僕は具体的にそういうものを示していかなければと思いますので、ぜひ検討というか、これはお願いしたいと思います。
2点目の夜間中学については、去年12月の4定で我が党からも代表質問をさせていただきました。そのときに、夜間中学に対する札幌市教育委員会としての基本的な考え方とか、他都市における取り組み状況などについて調査を進めていきます、進めていると言ったのか、そういう答弁をちょうだいしました。これはこれで結構だと思うのです。もちろん4定からまだ1ヵ月しかたっていませんから、今ここでどこまで進んだのだと聞くのも酷だと思いますが、先ほど来出ているように、これはしっかり調査を進めていただきたいと私からもお願いしておきたいと思います。
そこで、先ほど陳情者の方がこういう話をされました。夜間中学の検討委員会、正確かどうかわかりませんが、工藤さんがそんな話をされたのですよ。それで、私も、今、実際にこうやってやりとりを聞いていても、生涯学習部長でしょう。そして、学校教育部長でしょう。夜間中学ということを議論する上で、教育長からもらった方がいいのかもしれないけれども、やっぱり所管がそれぞれ違うでしょう。西村部長はまさに学校教育、加藤部長は生涯学習だ。どっちもかかわるね。そこで、教育長、仮に夜間中学のことについて具体的に検討してみましょうとなったときに、所管はどこですかというとなかなか難しいね。学校教育部なのか、生涯学習部なのか。
そういう意味から言うと、そこまで意図されたかどうかは私はわからんけれども、陳情者からも、先ほどの検討委員会というのは、名前がどうこうではないですよ。多分、おっしやりたいというか、意図するところは、横断的なというか、教育委員会として、もっと言うと札幌市として、そのことについて、検討した結果云々というのは後からのことだけれども、まず、公立夜間中学校の設置について検討してみるセクションなり部署ということをお考えになるか、ならないか。教育長、どうでしょうか。
●奥岡教育長 私から、お答えいたします。
先ほどからのご質問の中で少しは前向きに検討されているという意見をいただきましたけれども、教育委員会といたしましても、生涯学習部、それから、実際の夜間中学の部分について言えば、学校教育部が直接所管をしていると。それから、仮に施設整備をやるとすれば総務部が所管するという形で分かれているわけです。けれども、少なくとも本会議においてやっぱり真摯に受けとめてきっちりと検討を進めていくという中では、教育委員会としても、その中でそれぞれあれはあっちだということではなく、まず一体となって取り組んでいくと。それぞれ持ち分はありますけれども、いずれにしても、検討する過程においては教育委員会が本当に一体で取り組むという形で現在はスタートしているわけです。
先ほど陳情者からのご意見で検討委員会の設置ということもございましたけれども、今は、まずは、教育委員会が本当に一体となって進めてきておりますので、行く行くはいろいろな形でさらに立ち上げる必要性といいますか、そういうものが出てくれば考えていきたいなと。今は、まず調査をして、もちろん現地調査の部分もありますので、私どもはそれも想定しております。そういったものをきっちり調査しながら分析して、どういう形が札幌市としてできるのか、そんなことを考えていきたいというふうに思っています。
●高橋 功委員 先ほどは失礼しました。総務部も抜けておりましたね。確かに総務部長もそうですね。意図的に抜いてわけではないですからね。
いずれにしても、私が言いたかったのは、まさに教育長からお答えいただいたとおりで、本当に同じ認識に立って、そして、教育委員会の中できちっと議論を進めていくということが極めて大事です。だから、それも一つの選択肢としてあっていい、こういうふうに思うものですから、陳情者からの要望でもありますし、もし時期が来て、必要性があればそれはぜひ検討いただきたいと思います。
最後に、これは、加藤部長にというよりも、生涯学習という観点で言えば、確かに、理由はどうあれ、若いときに、本来は10代の学ぶべき時期に学べなかった。戦争とかいろいろな事情で、戦後60何年たって、こういうふうになって、環境が整ってきて今学ぶと。だから、生涯学習という観点は大事ですよ。極めて大事だと思う。
ただ一方で、私は、こだわるわけではないですが、例えば、先ほど陳情者の方から、卒業証書はもらったんだけれども、実質的な勉強はできなかったということもありましたね。逆のケースもあって、生涯学習で、今また一生懸命に学んでいる。 70歳になり80歳になっても学んでいる。だから、いいじやないか、こういう考え方もあるかもしれないけれども、僕はやっぱり、日本国における、義務教育たる中学校の卒業証書が手元にある意味というのは、その人にとっては−−たまたま私らも皆さん方も中学校の卒業証書を持っているから余り気にならないのかもしれません。 しかし、そうでない方にしてみれば、自分の責任でもらえないのならまだいいけれども、そうではないケースが圧倒的だと私は思うのですよ。そういう観点から言うと、卒業証書ということにこだわりを見せる方のご意見というか、思いというものも一方で酌んでもらいたいなということが僕にはあるのですね。
そういう意味で、生涯学習という観点でいけば学ぶのだからいいということにとどまらないで−−僕は学ぶことを否定しているのではないからね。卒業証書は紙切れ1枚かもしれませんよ。 しかし、その紙切れがその人の人生においてどれほどの重みがあるかということもぜひお考えになっていただきたい。これは要望かもしれませんが、そういう観点もぜひ加味していただきたいものだなと思って、質問を終わりたいと思います。
●村上 仁委員 私の方からも、重複を避けて、簡潔に、また端的に質問させていただきたいと思います。
憲法ですべての国民が義務教育を保障されるということで、本来、公的に保障すべきところを、この間、遠友塾が大変な苦労や努力をされて運営されてきた。これは、もう詳しく言うまでもないと思います。そして、かつていろいろな困難があった生徒たち、陳情者の方は戦争などいろいろおっしやっておりましたが、こういう生徒たちがそこで学ぶ喜びを感じている、これは、本当にすばらしいことだというふうに私はずっと感じております。今の教育ではなかなかこういう学ぶ喜びを実体感できない中で、教育本来のすばらしさがあるのだな、まさに教育の基本があるというふうにも思っているところです。
我が党は、この間、代表質問でも取り上げてまいりましたし、委員会の中でも質問をし、いろいろな点で市の方に調査も求めてまいりました。 しかし、先ほど、義務教育を受けていない市民の方がどれぐらいいるのかという点についても、プライバシーや膨大な作業量になるというようなことで把握できていないのだという説明もあったところです。
そこで、先ほど大通高校の話もありましたが、この間、市として、どのような条件あるいは状況を示しながら対応されてきたのか、そのほかにあれば、まずその点を伺いたいと思います。
●加藤生涯学習部長 どのような対応、支援をしてきたかというご質問ではなかったかと思います。
札幌遠友塾自主夜間中学に対しましては、平成3年から、もう取り壊してしまいましたが、教育委員会所管施設である旧市民会館会議室を利用するに当たり、全館利用が入るなど特別な事情のある場合を除きまして、4室を会場として確保し、提供してまいりました。その後、平成15年には、市民会館の老朽化がかなり進行してきたことから、市民会館にかわる公共施設のあっせんと継続的使用について要望書の提出を受けたところであり、中央勤労青少年ホーム、レッツ中央でございますが、このほか、統合後の旧豊水小学校の使用についても情報を提供した経過がございます。
また、昨年の旧市民会館の閉館に当たりまして、従来と同程度の広さ、室数、都心部にあること、低料金、それから教材置き場を確保できるという条件で代替の施設を探してほしいというご要望がございまして、生涯学習総合センター、ちえりあのほか、教育文化会館を紹介したところ、教育文化会館ということで団体側のご了解を得たところでございます。そして、先ほどから一部申し上げておりますけれども、教育文化会館の利用料金につきましても、同会館の指定管理者である札幌市芸術文化財団が2分の1に減免措置を講じており、これにより旧市民会館利用時の料金よりも低額に教育文化会館を利用していただいているものと承知いたしております。
さらに、昨年5月に、陳情者からもございましたが、市長、教育委員会あての要望書をいただいております。自分たちとして専用的に活動できる場所として、学校の空き教室や廃校となった学校の教室を提供してほしいというご要望がございまして、その内容について説明を受け、現在検討しているところでございますが、ご要望の趣旨に沿った場所ではなかなか見出せないという状況は先ほど来ご説明しているところでございます。
●村上 仁委員 先ほど来、遠友塾あるいは公立夜間中学の必要性や、この間、自主夜間中学が果たしてきた役割については複数の委員が述べているところであります。私は、今、最も必要で急がれていることは、先ほど陳情者の方もおっしやっておりましたけれども、生徒は65歳以上の女性の方が多いことや、20歳ぐらいの方から、80代の方も含めていらっしやるということで、全体的には高齢の方が多いことがあると思うのですね。そういう点では、まず急いで可能な支援を打っていくことが生徒たちには何よりも求められていることだと思っています。
今いろいろ伺いまして、そのための対応はされていますけれども、やはり不十分だということがあると思うのですね。もうちょっと密に話し合いをすることによって、意外なところで解決が図られることもあったりするわけです。ですから、やはり、どういう要望があって、これをかなえていくためにはどうすればいいのかということをしっかり受けとめ、市として何ができるかということを検討する場をきちんと責任を持って進めてほしいということが一つあります。
先ほど、戦後の義務教育を修了されていない数を把握できていないというご答弁がございましたけれども、きちんと把握できていないのであれば、やはり積極的に支援をすることと、同時に市民にお知らせしていくことが重要ではないかと思うのです。生徒は、毎年、減ることなく増加しているというお話もありました。そういう点で役割はますますあるわけですから今後も、一層、検討をしっかりするのと同時に話を受けとめる場を持つということが、先ほど来の検討委員会の設置を求めていることにも合まれているというふうに僕は考えていますので、我が党としても改めてこのあたりを強く求めて、質問を終わらせていただきたいと思います。
●佐藤典子委員 私からも、簡潔に質問させていただきたいと思います。
きょうの陳情者の工藤代表を初め、自主夜間中学で学んでおられる多くの方々のこれまでの学びたいという熱い思いに本当に心から敬意を表しますし、学ぶ環境がこれから少しでも改善されるようにということで、きょう、さまざまな議論が行われているところです。また、第2回定例市議会で市民ネットワークが夜間中学について取り上げたときに、市長から、また教育長からも、本当に困難で学ぶ機会を得られなかった皆さんの学びたいという熱い思いをしっかり受けとめたいという答弁を伺っておりまして、前向きに検討していくというお話で今日に至っているというふうに考えております。
陳情者の工藤代表からは、先ほどから何回も出ておりますけれども、学校教室の提供、財政的支援、また、公立の夜間中学校を設置することを求め、そして検討委員会や調査をというお話でした。そこで、先ほど来の議論でもう少し伺いたいのは、やはり財政的な支援の部分であります。これまでも、いろいろな形での教室の提供、それから、教文に対しても減免措置でということを伺ってまいりましたが、ボランティアの皆さんも本当に手弁当で毎目やっておられる。そして、先ほどから出ておりましたが、学ぶという権利が憲法で保障されていることであるならば、やっぱり札幌市が何らかの支援を積極的に行うべきであると考えています。
そこで、現時点で、財政的な措置、支援というものをどういうふうに具体的に検討されているのか、また、それを今後どうされていくのか、伺いたいと思います。
●加藤生涯学習部長 財政的支援についてお答えいたします。
札幌遠友塾自主夜間中学に対しましては、今のご質問の中でもございましたが、現在の教育文化会館を、その活動が継続できるようにということであっせんし、その料金も2分の1の減免になっているということはお話のとおりでございます。
そのほかのいろいろな財政支援についてでございますけれども、ご要望にもございましたような、例えば会場費の支援など、これ以上の支援につきましては、日本語教室など他のボランティア教室などの活動を行っている団体との均衡など、また、札幌市の財政状況から考えますと、難しい状況にあると考えているところでございます。
●佐藤典子委員 今のお話では厳しい状況であるということですけれども、金銭的なことだけではなくて、今言われていたような教室の確保など、何ができるだろうかということで、横断的に、また、本当にいろいろな連携のもとで進めていただきたいと思っています。
きょうの陳情の大きな目的というか、趣旨の中で、学校教育と生涯教育ということではどこで支援していくかというようなことが今まで議論されてまいりましたけれども、それは一体的に連携して考えていかなければ、皆さんの望んでおられる学ぶ場の保障とか、本当にどういうふうに継続していくことができるか、そうしたことの実現はなかなか難しいというふうに考えております。
先ほど来、聞き取り調査を行っておられるということですが、3、4で言われていることは、ぜひ向こうの現地に行って見てきていただきたい。そういうことも踏まえながら、ぜひ前向きに具体的な検討をしているという報告を伺いたいと思っております。
きょうは、本当に重なった質問になりましたので、1点のみ伺いましたけれども、ぜひ教育環境の整備、また、安心して学び続けることのできる状況を前向きに検討していただくことを強く求めまして、質問を終わらせていただきます。
●宮本吉人委員 それぞれの委員からの段々の質問ですべて語られているかなというふうに思うのですけれども、最後に、私は、このような状況に置かれておられる、また、向学心に燃えた方々が、大変お気の毒な環境で、そして非常に努力する中で、ボランティアの方々もまた頑張っておられることに関しましては、非常に胸を痛めながら、敬意を払っているところでございます。
ただ、先ほど私学で、塾でという話もあったように、いろいろ類似する形を考えたときに、やはりこれだけが特別という形は非常にとりにくいし、そういった均衡を考えたときに非常に難しさがあるということも推察します。
そういう中で、今回のこの状態ができた要因は、市民会館が使えなくなったからですね。それで、代替の施設がないので何とか探してもらいたいという要望の中で始まったことですね。この点だけ、とりあえず聞きたいのです。
●加藤生涯学習部長 遠友塾の活動はいろいろな場で行われてきたところでございますけれども、市民会館での活動が一番長く、そして、昨年、市民会館が解体に至りましたけれども、その前に、活動場所が具体的になくなるということで、私たちのところに、これにかわる場所についてあっせんのご依頼があったということでございます。
●宮本吉人委員 要するに、主に市民会館を使われていて、その場所がなくなるのでお願いしたいということでいいのですか。確認させてもらいますが、違うのですか。
●加藤生涯学習部長 そうです。
繰り返しになるかもしれませんが、市民会館は耐震性能の不足が現実問題になった、それで解体して、今、市民ホールの建築に向かっているわけでございますけれども、その間、現実に会場がなくなってしまうということで、活動場所が不自由であると。それ以前にもさまざまな情報を提供しておりますけれども、高齢者の方もいらっしやいますので、やはり中央区を中心とした、地下鉄を使いやすい交通至便なところがいいという状況から教育文化会館ということになったわけでございます。
●宮本吉人委員 市民会館を使いながらも、場所の提供については以前からそういう要望があったということですね。わかりました。
そこで、少なくとも、現在、とりあえずそういった形で教育文化会館を使われる。その前に、義務教育を受けられなかったさまざまな状況が語られているし、述べられていますが、私は、ここでしっかり確認しておきたいのは、そういう状況はわかりますけれども、義務教育そのものの受けとめ方をもう一回整理しておきたいなというふうに思うのです。小学校あたりでは、義務教育という言葉というのか、その取り扱いが非常に混乱しているというか、曲げられて受けとめられている例が多いのです。 と申しますのは、ご存じのように給食費の末払いが非常に多いのですね。義務教育なのだから、国が面倒を見るべきなのだから、給食費も出せと、勘違いしている親がたくさんいるのです。
ですから、義務教育が受けられなかった、あるいは、受ける状況にならなかったというのは、その当時、教育を受けさせなければならない義務のある人が、そういう措置をとれなかった、あるいは、そういう状況でなかったということの延長がこういう結果を招いてきているということも、一回、しっかり頭に入れた中で、そういう人たちの救済をしっかりやっていかなければならないという考え方を持って私は質問するのです。
今、教育文化会館で、とりあえずというような表現があったように思うのですが、これは有期限なんですか。それから、減免で半額というのも、市民会館から見ればかなり安くなっていますよという表現ですが、ずっとこのままで行くのであればそれでいいですけれども、僕は、これがずっと行くのか、新しい市民会館に開設されるのか、あるいは、違う場所が見つかるまでの期限なのかということも確認したいのです。
●加藤生涯学習部長 義務教育の話は別として、教育文化会館の会場に関係してお話ししますと、以前の市民会館につきましては、現実に4会議室を4教室として使っておられました。 したがいまして、遠友塾の運営からして4教室程度は必要だということで、その数を確保できる会場は中央区を中心にどこにあるのだろうかということで、いろいろな選択肢の中から教育文化会館に落ちついたということでございます。
ただ、将来的に教育文化会館にそのままいるのか、いないのかということになりますと、陳情者もおっしやっておりますように、教育文化会館は、2分の1減免といっても現実に年間55万円かかってますので、もっと安くて便利なところに移転して使いたいというご要望はあろうかと思います。ですから、教育文化会館を使っていただくことについて、期限を定めて、こういう条件でいつまでとかということはございません。ただ、暫定的という意味ではないのですが、ご要望は我々も十分承知しておりますので、もっといいところ、便利なところがあればお使いいただくのはやぶさかではありません。 しかし、例えば学校教室ということになると、先ほどから申し上げておりますように、提示されている条件では中央部を中心としてはなかなか見出しにくい、現在はそういう状況にあるということでございます。
●宮本吉人委員 大体わかりましたけれども、要するに、市民会館も含めて、そういった施設であれば会場費が高いので、もっと低廉な学校教室とか、そういった施設を常設の形の中でつくってもらいたいというのが大きな要望だというふうに受けとめていいのですね。
その辺は、少なくともそういった状況を考えると何とかしてあげたいなというという気持ちは同じ思いです。今、学校の適正配置の中で統廃合が将来的に検討されるというふうに思うし、また、夜間高校も今の大通高校の方に収れんされてくるとなると、その施設なんかも今後は考えられるのではないかという気がするのです。具体的に言うと、星園高校なんかはあくのではないかというふうに思うのです。
ですから、そういったことも合めて、今後、統廃合校の校舎というか、そういったものも検討できるのか、あるいは、星園高校も含めた夜間高校も検討できるのかということについて、今結論を出せと言っても難しいでしょうから、もし答弁できなければ、そういったことを合めてご検討すベきではないかと思うので、答弁できなければ要望で終わります。
●谷沢俊―委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
●谷沢俊―委員長 なければ、質疑を終了いたします。
それでは、取り扱いについてお諮りいたします。
取り扱いは、いかがいたしますか。
(「継続」と呼ぶ者あり)
●谷沢俊―委員長 陳情第14号を継続審査とすることにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
●谷沢俊―委員長 ご異議なしと認め、陳情第14号は、継続審査と決定いたしました。
理事者交代等のため、委員会を暫時休憩いたします。
休 憩 午後2時32分