合格「夢みたい」 夜間中学「スコーレ」5人泊高に2008年3月13日
合格を確認し喜び合う珊瑚舎スコーレ夜間中学校の卒業生ら=13日午前9時半ごろ、那覇市の県立泊高校
戦中戦後の混乱で義務教育を修了することができなかった人たちが学ぶ「珊瑚舎スコーレ」夜間中学校から県立泊高校定時制夜間部、通信制を受験した60―70代の女性5人も13日午前、全員合格を果たした。合格発表に訪れ、掲示板で受験番号を確認した女性らは涙ぐみながら抱き合い、夢に見た高校生活に思いを膨らませていた。
桃原芳子さん(72)=那覇市=は合格発表の30分前に泊高に到着、発表を待った。桃原さんは「とてもうれしい。高校に行くつもりはなかったが(珊瑚舎スコーレの)先輩方が合格したのを聞いて、最後まで迷いながらも進学を決めた。給食が楽しみ。昔、卓球をしていたから部活があるなら卓球がしたい」と話した。
12日に宜野湾市から「卒業に相当する証書」を受け取った女性(65)は「最高の気持ち。証書を受け取り高校にも合格、本当に夢みたい」と喜び「すべての勉強を頑張りたい」と力を込めた。
夫婦で合格発表を見に来た那覇市の女性(72)は「貧しくて進学できず、高校に行った同級生に道で会っても避けて歩いていた」と振り返り、高校から受け取った資料を眺め「この『合格おめでとう』の文字がうれしい。これからが大変だと思うが頑張りたい」と語った。
2008年3月13日 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-32141-storytopic-7.html