札幌市議会5会派の重点要望*経済活性化に力点*中小企業支援など求める

北海道新聞 2008.12.01 北海道新聞朝刊地方 25頁 


 札幌市議会の主要五会派は三十日までに、市の来年度予算編成への重点要望をまとめ、上田文雄市長に提出した。各会派とも不景気の中、経済活性化への取り組みを充実させることを主要項目に挙げ、中小企業の支援などを求めている。


 いずれの会派も世界的な金融危機と原油・原材料の高騰などの影響を懸念。複数の会派が、公共事業の削減で経営が厳しくなっている中小建設業者への配慮として生活道路の整備費や維持費の確保などを要求した。


 民主党・市民連合は、北海道新幹線の札幌延伸に向けた対策の強化を要望。福祉分野では、障害者の自立支援策の充実のほか、「子どもの権利条例」に基づき、まちづくりへの子どもの参加機会を増やすことを求めた。


 自民党は、除雪体制の維持のため、除雪事業者を優遇する「政策入札」の拡大を要求。また、入札制度の見直しで、建設業者の競争激化に拍車をかける入札予定価格の事前公表の廃止を要請した。


 公明党は、少子化対策として出産育児一時金の拡充と妊婦検診の完全無料化を要望項目に入れた。教育関係では、市立夜間中学の設置検討を盛り込んだ。


 共産党は、市民負担の強化につながる行財政改革プランを見直すよう訴えた。また、失業者世帯対策で、高校進学希望者や在学高校生への授業料免除を挙げた。


 市民ネットワーク北海道は、若年認知症に関する就労支援や相談体制の整備を要請。市電を活用したまちづくりの促進も求めた。


(宇佐美裕次)


北海道新聞社