公立夜間中学開設へ協力求める
2009年06月01日 朝日新聞
「北海道に夜間中学をつくる会」の総会で講演する佐藤信・前市立向陵中校長=札幌市教育文化会館
■「夜間中学つくる会」総会
■フリースクールと連携強化
■「公立校」政党に協力呼びかけ
様々な事情で学校へ行けなかった人たちのために活動する札幌の市民団体「北海道に夜間中学をつくる会」(工藤慶一代表)の総会が31日、市教育文化会館で開かれ、公立夜間中学校を札幌に開設するため、政党や民間団体の協力を求めることなどを決めた。さらに不登校の若者が自主夜間中で学ぶケースもあることから、フリースクールとの連携を強めることを確認し、共同代表にNPO法人フリースクール札幌自由が丘学園の亀貝(かめがい)一義理事長を選んだ。
つくる会は札幌で自主夜間中学を運営する「札幌遠友塾」のメンバーが中心になって07年5月に結成した。
遠友塾は創設20年目の今春、初めて市立向陵中学校の教室の通年使用が実現し、約80人が同校で授業を受けている。この日の総会では、今春定年退職した佐藤信・前同中校長(現・本郷新記念札幌彫刻美術館館長)が講演した。
佐藤前校長は同中の生徒たちが、遠友塾で学ぶ人たちの姿を伝えたテレビのビデオを見て感動したエピソードなどを紹介しながら、「皆様との交流を通して向陵の子供たちが少しでも心豊かになってくれればいいと願っていた。向陵中こそ、皆様に感謝しなければならない」と話した。
札幌、旭川、函館、釧路の道内4校の自主夜間中についての報告もあり、5月9日に開校した釧路の自主夜間中「くるかい」事務局長の添田祥史・道教大釧路校講師は「受講生は51人。予想をはるかに超え、1部と2部に分けて授業をしている」と報告。
また札幌市議会文教委員会委員長の谷沢(たに・さわ)俊一市議(公明)も「他の会派の方と協力し、公立の夜間中の設置に向けて一生懸命取り組んでいきたい」とあいさつした。
総会では(1)公立夜間中を札幌に開設するため、政党や民間団体の協力を求めていく(2)財政的支援を行政に働きかける(3)各地に自主夜間中の開校を目指すとの方針を決め、道教委や道議会への請願のために署名活動を進めることにした。
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000000906010003