第18回事務局会議
「北海道に夜間中学をつくる会」は8月16日(土)、北海道教育会館北教組特別会議室を借りて第18回事務局会議を開きました。
出席:工藤共同代表、清水事務局長、白倉、境、工藤(朱)、泉、飯塚、溝口、佐々木、丸山
工藤代表報告
先に慌しく反対署名を集め大阪に届けた夜間中学の就学援助削減の問題で、残念ながら大阪府議会臨時会(7月23日閉会)で10%削減が通ってしまったこと。全会派が反対意見を出していながら、大阪府知事提案の一般予算案が可決されたそうです。署名は札幌遠友塾から122人、全体で3万5千人が集まりました。大阪では夜間中学の生徒さんらが街頭署名活動をする中で、「私も中学へ行ってないが、今からでも入れるだろうか」と問う人もいたそうです。
東京の関本先生から、全国夜間中学校研究会人権救済委員会の方で「全国の公立夜間中学の開設を目指す人権救済の申し立ての記録」という本を作るそうです。これまでの活動の経過や関係資料をまとめたものです。
全国夜間中学校研究会齋藤盛久会長から札幌市教委に対して2008年度7項目要望書が出されましたが、これに対する市教委回答(7月29日)の宛て先が研究会の前会長名であることや、「これまで、北海道内では、公立中学校夜間学級を設置しておらず、平成19年までは具体的な設置要望を受けていなかったことから」とするなど、事実誤認があるとして訂正要求をしていく準備をしているとの情報提供がありました。
向陵中での授業にあたっての校長先生の配慮ですが、事前に1年の生徒たちに道徳の授業で、北海道新聞「夏休み中、学校利用を 札幌市教委自主夜間中学に提案」(7月1日)の記事とNHKの「ほっとモーニング/もう一度学びたい」(4月8日放映)のビデオを見せたところ、200人近くの生徒たちがびっしりと感想文を書き、校長先生も驚いたようです。その写しを校長先生からもらったので、札幌遠友塾「遠友だより」やHPにも載せる作業がおこなわれています。
向陵中の佐藤校長が、札幌市中学校校長会の幹事をやっていることが分かり、中学校校長会として札幌遠友塾の活動を理解してもらえるよう、佐藤校長に校長会会長への仲介をお願いしました。
この報告に対する討論。
全国夜間中学校研究会の要望に対して、現在まで道教委としての回答をしていないと推測されるので、「つくる会」として道教委に回答をだすよう働きかけをしていくべきではないか。 −− ※その後、9月4日に道教委から回答がなされました。
また、市教委は「国連識字の10年」に対する回答をしていないので、「夜間中学校の存在を多くの人に知らせるための広報活動を積極的に行っていただきたい」など、市教委にもこれらの点で働きかけることが必要。
これらの動きは公開されているものであり、当会としても働きかけが必要。
今後、清水事務局長が、日常的な窓口交渉のなかで市教委などへ問題点を指摘して行く。
資生館小学校と白楊小学校を下見した泉さんからの感想報告
資生館小は施設が新しく、1階を市民に開放している。2〜4階が教室で5階がランチルームで多目的だが、ランチルームだけでの遠友塾授業は無理とのこと。
白楊小は地下鉄24条駅から歩いて5分くらいで意外と便利。街中と違って交通量も少ない。多目的教室は2〜4階にあり、2階はカーペット敷きでお母さん方が活動しており、4階は音楽活動などに開放している。空きは3階だけで、やはり4クラス分のスペースにはならない、とのことでした。
2回(7月30日、8月6日)行なわれた向陵中での授業についての感想
校長がリーダーシップを取って最大の配慮をしてくれた事に感謝したい。事前に生徒たちに新聞記事やビデオで遠友塾のことを知らせてくれたことは、学校側にとっても、教育上いい影響があると理解してのことだと思う。その結果が生徒たちの感想文に表れている。このことは、これから市教委と学校教室の長期的な使用に向けた課題を整理し、検討する上で大事な点だと思う。
各クラスいずれの授業も丁寧で、受講生も真剣に聞き取っていたことは、学校教室を使った授業はこうゆうことなのだと教えてくれた。
チャイムやチョークの準備など学校側の配慮に感謝するとともに、今回の授業で、教室での授業は学校側にとっても何の支障もないことが明らかになった。また、市議など多くの人が見学にきてくれたことへの思い、自ら数学の授業で黒板に立ったが、受講生の気持ちの一段の高まりを感じた。
受講生たちは生徒たちの作品などがかかる教室に感激していたこと、一方で学校時代のトラウマからか、決死の覚悟で教室に入ったが授業中苦しみに耐えていた受講生もいた。(この人は2回目を欠席しました)
1年生の教室に、気分を悪くし途中で帰った生徒が見学にきていたことの報告がありました。
学校への道案内のため、地下鉄の出口で案内板を持って立っていたところ、見知らぬ人5人から遠友塾のことを聞かれたり、「頑張って」と激励されるなどした。
北海道教育会館の会議室利用については、今回の会議で初めて使わせてもらいました。住友北教組委員長の支援の申し出を受けたものです。遠友塾の全体会議には狭いですが、当会の事務局会議や各種作業などのスペースには十分で、好意に甘えて今後も積極的に使わせてもらうことを申し合わせました。
今後の活動について
−− 市教委への要望として冬休みや春休みにも、今回のように特定校での使用試行を求めていくのか、で論議しました。
要望はあくまで4教室で水曜日にきちんと授業ができるようにするために今回の試行的利用の結果から課題を整理していくことでは?
市教委のいう教室の専用とか、目的外利用という区分は、今回の遠友塾の授業にどのような意味をもったのだろう、例えば向陵中としてどんな障害や問題があったのだろうか?
これから求めることは、水曜の週1回夜間に授業させてくれということで、市教委の権限内の話であり、市教委に判断を下してもらえばいいのでは?
結論
これからの市教委との話し合いは、まだまだ難しいと思われるが、今後どうしたら教室での授業ができるようになるのかを、向陵中の試行利用で得られたものを持って、市教委との反省会の中で具体的に詰めていく必要がある。