第25回「つくる会」事務局会議まとめ
「北海道に夜間中学をつくる会」は2月28日(土)、北海道教育会館で第25回事務局会議を開きました。
出席:工藤共同代表、清水事務局長、飯塚、泉、井上(大)、井上(嘉)、工藤(朱)、佐々木、白倉、丸山、溝口、森
議題は、「すべての人に義務教育を!21世紀プラン」(全国夜間中学校研究大会第54回採択)への意見提出、エルプラザの事務ブース使用申請、定期総会の準備(共同代表制や事務局改選など役員体制)、今後の取り組みなどについてです。
始めに工藤共同代表から、遠友塾三役が2月20日(金)に向陵中の教職員会議とPTA役員会へお礼とあいさつに伺った際、教職員の皆さんから予期せず立派な手作りの「遠友塾」看板を贈られたことが報告されました。
また、看板贈呈の様子やその作成にまつわる話しが続けて新聞記事になり、それを読んだ遠友塾1期生から祝福の手紙がきたことも話されました。そして塾名を揮毫してくれた栄中学校の競(きそう)校長先生には礼状を出し、丁寧な返事を受けたことが報告されました。さらに、すぐに4、5名の受講希望があったこと、テレビ2社から遠友塾に対して取材申し込みが来たこと、また「函館遠友塾」の開校(4月15日)や釧路「くるかい」の開校(5月9日)が新聞の地方版に載ったことと、現地の動きなどが伝えられました。
そのほか、09年度に向陵中の教室が耐震工事のため使えない時の代替会場に、教育文化会館を使用するにあたっては、これまで通り半額減免が継続されることが報告されました。
この後、札幌市教委から示された「札幌市立向陵中学校の使用に関する覚書」(別添資料)について、清水事務局長から説明がありました。
覚書については第2回3者協議(1月20日)で協議した要件を外れたものはなく、工藤慶一・遠友塾代表名で押印に応じることが報告されました。卒業式に市教委の出席を要請したところ教育長から書面祝辞をいただけることになりました。
覚書の締結は、教育長、向陵中校長、遠友塾の三者で行われます。そのため、「校長が変わっても教室使用が継続されること」と判断されます。学校の備品・消耗品が学校側の承諾があれば使えること、使用許可日には5教室以外でも学校側が了承すれば使えること、許可日以外でも事前に市教委に許可申請すれば使えることになり、授業増をはかれるようになります。また、第二玄関に「遠友塾」の看板を常時掲げることが認められております。
「すべての人に義務教育を!21世紀プラン」に意見を求められていることについての説明。
同プランの第一において、「夜間中学校の広報」や「公立夜間中学校の開設」など行政施策を求める4項目について、「つくる会」や札幌遠友塾が要望している5項目とほぼ合致しており支持したい。ただ、全国夜間中学校研究大会へ遠友塾や自主夜間中学が参加し発言をしているが、公立ではない自主夜間中学参加に関する規定があるわけでなく、主催の同研究会との関係がいまひとつはっきりしない中で本意見を述べることになります。
しかし、第二の「すべての人に義務教育を!専門委員会」の設置について、公立夜間中学が開設されている各地区(関東地区および西日本地区)となっており、「各都府県から1名」とあるように「道(北海道)」が抜けており、全国の自主夜間中学や有志の活動を除いた専門委員会になる懸念があります。この点において、専門委員会に自主夜間中学や有志の活動をなんらかの形で含めることを意見として述べます。
よせられた「すべての人に義務教育を!21世紀プラン」と、「全国への公立夜間中学校開設を目指した人権救済申立の記録」誌についての意見と感想について、前者について、上記内容で「つくる会」事務局と札幌遠友塾事務局名で意見を提出します。なお、個人の意見と感想の提出は自由です。
エルプラザの事務ブース申請について
2月24日に申請者に対する面接があり、事務局長が対応しました。事前に質問の「傾向と対策」を十分に行なった結果が実り、2月26日に使用決定の連絡が入りました(文書通知は後日)。3月12日には使用についての説明会があります。また、ロッカーの使用も申請中とのことです。
定期総会について
日程は5月31日(日)午後1時半から、会場は教育文化会館の研修室403(84人収容)を確保したことが清水事務局長から報告されました。これを受けて総会の内容などを論議しました。
まず、今回教室使用で深い理解と配慮をいただいた向陵中の佐藤信校長に議題に入る前の講演をお願いしてはどうかとの提案がありました。総会の時点で退職しており、これまでの教員生活を振り返っての感想や遠友塾との出会いなどを話してもらえたらとの思いからです。
これまで共同代表にふさわしい4人に打診してきたが、あいにく亡くなられたり断られたりして実らなかった経緯が話されました。つくる会会員には今総会までに人選を約束していることもあって、当面は今の事務局員の中から選んだ方がいいのではないか、との意見もありました。
将来の「つくる会」事務局体制として、全道各地に開設された自主夜間中学校と情報ネットワークを図るためにも、各地を代表する事務局員で構成されることが理想、との意見も出されました。
しかし、当面の課題は今総会で退会する清水事務局長の後任の人選ですが、現在の事務局次長らから選任するのが順当とする意見や遠友塾スタッフと重複していない人を出すべきだ、などの声があがり、名を上げられた人もそれぞれ意見を述べました。しかし、それぞれ事情があり、さらに人選を考えていくことになりました。一方、遠友塾スタッフにも、「つくる会」向きの能力があると思われる人もいるとのことで、積極的に当会への参加を呼びかけて行くことにしました。
旭川に続き函館、釧路でもこの春に自主夜間中学が開校する流れにあることを踏まえ、各地の現状と課題、「つくる会」への提言などを当会の活動報告とは別に特別報告として総会で話してもらえないかを、打診することになりました。
函館、釧路には開校の祝電を送ることにしました。また、2年目となる旭川にも受講生に連帯アピールする意味で祝電を打ってはどうか、との提案がありましたが、「今後毎回、各地に打つ必要があるかどうか」「電報は高いので祝辞をファクスでどうか」などやり取りがあり、結論はでませんでした。また函館と釧路には祝電とは別に、何人かを出席させたいとの意見が出されました。
今後の活動について
公明党が09年度の札幌市予算編成に当たり「市立夜間中学校を設置すること」を重点要望にあげておりますので、同党と連携した運動ができないか、前回の事務局会議で提起されており、この対応を論議しました。全国夜間中学校研究大会の報告をみても夜間中学が新渡日の人たちへの語学習得を支えている部分が大きく、北海道には多くの中国帰国者がいることを考えれば、これからこうしたことへの対応が大切になっていく。その意味で、夜間中学の設置を明確に出している公明党とどのような連携ができるか、話し合っていきたい。
本年第1回定例札幌市議会の予算審議で審議されたのか、また審議されたとしたら、市長がどう答えているのかなどを調べることにしました。仮に審議され市長が前向きに答弁したとすれば、市長と直接お会いし「諮問委員会の設置」要請もすることなどの意見もだされました。
これらの話し合いのあと、札幌市議会各会派へ連携を求めていくことになりました。道議会議員各派へも、向陵中の教室使用を支援してくれたことへのお礼のあいさつを兼ね、公立夜間中学校設置や全道各地の自主夜間中学への教室提供や財政支援、受講生への就学援助などを働きかけて行くことにしました。
新年度の市教委機構改革で、これまでの生涯学習部と学校教育部が1つになることが報じられていました。たとえ市教委の窓口は変わっても、これまでの窓口(事務局長、事務局次長、遠友塾副代表)は継続して要望にあたることを申し合わせております。
日教組が就学援助制度の充実や自治体間就学格差の解消などの署名活動を行い、北教組が全道の夜間中学支援の署名を考えているなど、夜間中学に対する独自の取り組みをしていることが伝えられました。
最後に「つくる会」がエルプラザの作業ブースを確保したことで、今後の事務局会議は基本的にエルプラザを使うこと、会議を定例化することなどが決められました。